中国湖南省湘潭県の病院でこのほど、女性が出血多量のため死亡する医療事故とみられる事件が発生した。華声在線の13日付報道によれば、同事故では「医者や看護師が失踪」、「女性の家族が手術後の室内に入ったところ、男性がタバコを吸っていた」などと理不尽さが目立つためか、中国で極めて大きな注目を集めている。

 報道によれば、27歳の女性は10日、湘潭県の病院で出産予定日を迎えた。午後12時すぎに赤ちゃんが無事に誕生したものの、女性はいつになっても手術室から出てくる様子がなかった。午後5時ごろ、女性の夫に対して病院側から「出血が止まらず、子宮を切除するための緊急手術が必要」と説明があり、出術が行われることになった。

 それから数時間が経過した午後9時ごろ、女性の家族が「妊婦が死亡した」と話している声を耳にした。女性の夫はたまらず手術室のドアを叩いてみたところ、手術室からは「まだ緊急手術中」との回答があったため、夫は手術室の外で待つほかに選択肢はなかった。

 午後11時ごろ、夫が妻の安否を確かめるため再び手術室の扉を叩いたところ、中からは一切反応がなかった。夫が扉をこじ開けると医者や看護師の姿はなく、出術を受けているはずの女性は血まみれになってすでに死亡していた。驚くべきことに、手術室では医療関係者の男がビンロウ(ヤシ科の植物で噛みタバコに似た使われ方をする)という嗜好品を噛みながら、タバコを吸っていたという。

 華声在線は、今回の件に対し、「医者や看護師が失踪した」、「わずか半日で死亡した女性の夫は、父親になる喜びと妻を失った悲しみを味わわされた」と伝えているほか、香港メディアの鳳凰網は「湘潭県の衛生局および司法局が介入し、調査を行っている」と伝えている。(編集担当:村山健二)