今季の海外メジャー第4弾、全米プロ選手権(8月7日〜10日)がケンタッキー州のバルハラGC(パー71)で開催された。激戦を制して頂点に立ったのは、通算16アンダーでフィニッシュしたロリー・マキロイ(25歳)。メジャー第3弾の全英オープン(7月17日〜20日/イングランド・リバプール)、前週のWGCブリヂストン招待(7月31日〜8月3日/オハイオ州)に続いて、出場3大会連続優勝を飾るとともに、今季ふたつ目(通算4つ目)のメジャータイトルを手にした。

 一方、日本勢注目の松山英樹(22歳)は、通算3アンダー、36位タイに終わった。前週のブリヂストン招待で12位タイと奮闘。復調気配を見せて、今季最終メジャーでの躍進が期待されたが、上位争いに加わることはできなかった。

「ゴルフの状態が今ひとつ」という松山は、初日から苦しいラウンドを強いられた。一時、3アンダーまでスコアを伸ばしながら、後半に入ってショットが乱れて失速。イーブンパー、54位タイにとどまった。

「後半は、いいショットを打ってもミスになったりして、ちょっとずつプレイがかみ合わなくなっていった。でもまあ、今の(ゴルフの)状態を考えれば、よくパープレイで回れたな、という感じです」

 2日目は序盤で苦労した。1番スタートで、2番、3番と連続ボギーを叩くと、6番ではダブルボギー。通算4オーバーまでスコアを落として、予選落ちの危機に面した。それでも、残りふたホールで底力を発揮。17番パー4でバーディー、最終18番のパー5でイーグルを奪って、通算1オーバー、69位タイでぎりぎり決勝ラウンド進出を決めた。

「いいスイングができるように一生懸命やっていたんですけど、先週の残り2日間のようないい感触(ブリヂストン招待で3日目が「65」、4日目が「68」の好スコアを記録)はなかなか戻ってこなかった。スイング自体、ずっとバラバラで(予選突破を)諦めていたんですけど、17番で急にいいショットが打てた。何が原因なのかはわからないけど、そこでバーディーを奪って、最終ホールにうまくつなげられた。その前にもいいショットはたまに出ていたけど、『これでいいのかな』と思って打つと、今度はミスになって、そこでまたいろいろと考えたりしてしまった。今(の状態)を象徴するような一日でした」

 反撃が期待された決勝ラウンド。3日目が5バーディー、4ボギーの「70」、最終日が5バーディー、2ボギーの「68」と、ともにアンダーパーで回ったが、爆発力に欠けた。勢いに乗ったかと思ったら、ミスが出て後退。松山は自らが抱える"悩ましい現状"から最後まで逃れることができなかった。

「ゴルフの調子は先週のほうがよっぽどよかった。今日(最終日)も前半で4つバーディーがあったとはいえ、(ショットの)いい感触というものはなかった。合わせ、合わせというか、たまたまボールが真っ直ぐ飛んでいっている感触でしかなかった。それでも、いいところもたくさんあったし、4日間プレイできたのはよかった。さらにいいところを伸ばして、残りの試合に向けてがんばっていきたい」

 これで、今年は4月のマスターズが予選落ち、6月の全米オープンが35位タイ、7月の全英オープンが39位タイ、そして今回の全米プロが36位タイと、松山はメジャー大会で際立った成績を残すことはできなかった。全米オープン10位タイ、全英オープン6位タイという結果を残した昨年に比べると、やはり物足りなさを感じてしまう。

「メジャーで結果が出せなくて、自分自身、残念な気持ちは強いです。昨年は上位で戦えていたので、少なくともその当時の状態に戻れば、(今年も)上にいけたかもしれない。でも、今の自分はそれ以上のモノを目指している。それで今年、メモリアルトーナメント(5月29日〜6月1日/オハイオ州)にも勝てましたし、(世界で)勝てる力はついてきていると思う。だから、自分の力を出し切ることができれば、(メジャーでも勝てる)と思っています。結果を出せなかったのは、自分が上を目指そう、目指そうとやってきて、空回りしてしまった部分がたくさんあったと思う。

 とにかく、今年はそういう(メジャーで結果を出せない)年だった。来年こそ、まずは4つのメジャーに全部出られるようにがんばって、体はもちろん、技術も、精神的にも、上位で戦えるようにアップしていきたい。初日から崩れることなく、4日間ずっと上位でプレイできるようにがんばりたい」

 今季、メジャー大会で苦しい戦いを続けてきた松山。しかしその中で、さまざまなことを経験し、学んだ。メジャー2連勝を飾ったマキロイや、4大メジャーすべてで上位争いを演じた(※)リッキー・ファウラー(25歳)との差を痛感し、メジャーで勝つために必要なこと、そのために自分がすべきことも改めて認識した。

※ファウラーは今季、すべてのメジャー大会でベスト5フィニッシュ。マスターズ=5位タイ、全米オープン=2位タイ、全英オープン2位タイ、全米プロ=3位タイ。

「上位選手との差? そりゃ、たくさんあります。調子がよくない中で、力を出すこともそう。マキロイは昨日(3日目)も調子がよくない中で4アンダーですからね。(メジャーで勝つには)そういう粘り強いプレイができて、その結果、アンダーで回れるような力がないといけない。今の自分にはそれがない。根本的な技術から、自分もそういうことができるようになれたらいいな、と思っています。

 それに、マキロイやリッキーが上位で戦えるのは、それまでの練習とか、いろいろなことをやってきて、その蓄積が自分の中にあるからだと思う。自分も日頃の練習でさまざまなことをやったりして、調子が悪くても結果を出せるようにしていきたいし、そういうプレイができるようにがんばっていきたい」

 今季、米ツアーで初優勝を飾った松山は間違いなくレベルアップしている。メジャー大会では振るわなかったが、それを糧にして、来季さらなる飛躍を果たしてくれることを期待したい。

武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko
text by Sportiva