サントリーが今年、20〜60代の男女1250人に行った調査では、ビール風味飲料を飲んだことがある男女比は6対4で男性がやや多く、年代構成では40代男性(16.1%)、60代男性(13.7%)、30代女性(11.3%)などと、幅広い世代で受け入れられていた。飲む場面は「夕食時」(57.7%)が最も多く、「昼食時」は45.7%、「運転がある時」は35.3%だった。

「味がちょっと」と敬遠していた人たちが、最近手にしているのが「ビール風味飲料」。味の改良や、健康志向を目指した新製品などもお目見えし、選択の幅も広がってきた。

市場は、2009年にキリンビールが「キリンフリー」を発売したのを機に拡大した。調査会社の「富士経済」(東京)によると、市場規模は同年の7万5700キロ・リットルが、翌年には14万8200キロ・リットルとほぼ倍増。以降も伸び続け、12年には22万7400キロ・リットルに達した。13年の見込みは24万2400キロ・リットルと拡大している。

サントリー酒類は5月、市場占有率トップの「オールフリー」を刷新。カロリーと糖質ともにゼロという健康志向の同商品の仕込みの方法を改良し、うまみとキレを出したという。今夏はグレープフルーツ風味の夏季限定商品「オールフリーシトラスクール」も発売。開発担当者は「ビール風味飲料を飲んだことがない人が手を伸ばすきっかけにしたい」という。

また、黒ビール風の商品を加えた社もある。アサヒビールが6月に新発売したのは、「ドライゼロブラック」。爽快感やのどごしを重視する既存の「ドライゼロ」に対し、「ブラック」はコクと、香ばしい焙煎(ばいせん)香を強調している。同社の商品もカロリーと糖質はゼロだ。また、麦汁を使わず、大豆たんぱく質をベースに、香料でビールの味わいを再現しているのも特徴だ。

アサヒビールに先立ち、サッポロビールは12年に初の黒ビール風商品「プレミアムアルコールフリーブラック」を発売。「プレミアムアルコールフリー」とともに展開中だ。昨年から酵母をアルコール発酵させずに使用する独自技術を取り入れたことで、「ビールに近い味わいに仕上がった」(同社)という。9月には両商品の良さを取り入れた季節限定商品「プレミアムアルコールフリー香るブレンド〈赤〉」を発売予定だ。

さらなる進化を続ける「ビール風味飲料」。この夏、急成長を遂げるかもしれない注目のジャンルとなるだろう。