インコのおとちゃん

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インコブームがやって来た。飼った人にしか分からない「インコ臭」のするアイスクリームや香水が人気を呼び、表参道には「猫カフェ」ならぬ「ことりカフェ」がオープンした。今、多くの人を惹きつける小鳥の魅力って何だ?

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飼い主だけに見せる表情をプロカメラマンが激写

『インコのおとちゃん』

犬猫なら分かるが小鳥とは意思疎通ができないと思っていた。だが、それは誤解だったようだ。少女マンガのようなキラキラの瞳で好物をおねだりしたかと思えば、時には誰も寄せ付けない厳しい表情を見せる。パイインターナショナルの写真集『インコのおとちゃん』(著・村東剛、1296円)を開けば、レンズ越しに飼い主と会話をする小鳥の姿がある。ブログがきっかけとなって出版されるペット写真集が多い中、本書はその域を超える。なぜなら、おとちゃんの主はプロカメラマンなのだ。羽毛の流れがつぶさに見てとれるクローズアップや、美しい羽を広げる一瞬をとらえたショットは、コザクラインコを宝飾品のように思わせる。東京では8月18日から9月14日まで八重洲ブックセンター本店(中央区)で写真展が開かれる。

マニアック! 食事だけで160ページ

『インコの食事と健康がわかる本 食べる、食べないの心理的ケアからエサ選びまで』

基本の飼育法や調教術など、インコに関するハウツー本は多くあるが、誠文堂新光社の『インコの食事と健康がわかる本 食べる、食べないの心理的ケアからエサ選びまで』(著・細川博昭、1728円)ほど、マニアックな一冊にはなかなか出合わない。タイトル通り、食事を中心にした飼育法がなんと159ページにわたって紹介されている。過食・拒食の両ケースについて対処法が述べられているのだが、「食べているポーズを見せている」「つられて食べる」「暇だから食べる」「食べること以外に楽しみがない」「意地を張って食べない」など、理由が人間臭い。まわりが思っている以上に自分の思いを押し通す生き物、それがインコなのだと著者は言う。鳥を飼育している、弱った鳥を保護したという人にはもちろん便利だが、雑学として読んでも面白い。

小鳥が運んできた世界的大発見

『いとしい小鳥 きいろ 博士に奇跡を運んだ小鳥の日々』

「幸せの青い鳥」といえば、幸せはいつもすぐそばにある、そんなメッセージを込めた名作だが、現代のフランス・ボルドーで、もう一つの青い鳥の物語があった。河出書房新社の絵本『いとしい小鳥 きいろ 博士に奇跡を運んだ小鳥の日々』(文・岩津ちひろ、絵・ささめやゆき、1728円)は、白ワインの香りを世界で初めて科学的に解明した富永敬俊博士と、彼が愛した「きいろ」という名の青い鳥が主人公。ページを開いたまま書棚に飾りたくなるような、ちょっと洒落た装丁の一冊だ。絵本化は博士の願いだったが、完成を見ることなく53歳の若さで亡くなった。その日は奇しくもきいろの命日。深い縁を感じさせる。実は、博士の研究をもとに日本では「きいろ香」というワインが誕生している。手に取る機会があれば、ラベルを注意深く見てほしい。そこには元気に羽ばたくきいろの姿がある。