一般企業ならば、ある大きな事業に失敗したら幹部が責任を取り、出直しを図るものだが、日本サッカー協会はその素振りを全く見せない。さっさと新しい看板に挿げ替え、責任の所在をうやむやにしてしまったのだから恐れ入る。ブラジルW杯の強化責任者を務めてきた原博実技術委員長がその一人である。
 本来ならザックジャパンを検証した後に、次の代表監督を決めるのが筋なのに頬かぶり。7月24日、ハビエル・アギーレ氏の新代表監督就任を決め、9月に札幌ドームで行われるウルグアイ代表との強化試合から指揮を執ると発表した。視線を4年後のW杯ロシア大会に変えさせ、自身は退任。今後は協会ナンバー3の専務理事に専念というから見事なまでの処世術だ。

 さて、アギーレ氏は55歳のメキシコ人。メキシコ代表監督としてW杯日韓大会と南アフリカ大会で指揮を執り、いずれもベスト16に導いた。クラブチームでもスペインのアトレティコ・マドリードなどの監督を務め、今年5月にRCDエスパニョール監督を退任。日本代表監督の椅子が空くのを待ち構えていた。
 「これがとんだ食わせ者。銭の亡者のような人物です」とは某エージェント氏の証言だ。
 「年俸2億円の2年契約で内諾を得ていたのに、日本協会が彼に一本化したのがバレると、足元を見て4億円をふっかけられた。結局5000万円上増しして落ち着いたものの、コーチ3人の他に弁護士の長男とコーチとして次男も押しつけようとしている。総額10億円。あまりに露骨な要求に協会サイドは今さらながら閉口しています」

 監督のプロフィール紹介が先行し、批判は後回しにされているが、2020年東京五輪に向けての日本人コーチ参画を拒否。しかも、賞味期限が切れた本田圭佑は不必要と言いだし、香川真司を重用してスペインリーグに転売を働きかけるなど、算盤をパチパチ。
 「メディアはW杯が終わりJリーグも盛り上がりに欠けることからアギーレ氏を歓迎していますが、一歩ピッチに入ったら、インタビューを一切受けない中日監督時代の落合博満氏のような性格。フォーメーションも対戦相手によってコロコロ変える。選手たちは相当に戸惑うのではないか」(サッカーライター)

 ケツを拭かされる次期技術委員長の人選が暗礁に乗り上げているのも納得だ。