安倍政権が掲げる経済政策「アベノミクス」も踊り場感があり、不動産市況は販売価格の高騰もあって、市況の不透明感が広がっている。

 そんな中、8月5日に大阪市内で行なわれた大手デベロッパーの記者発表が注目を集めた。長堀通、御堂筋、道頓堀、堺筋に囲まれたナニワの都心一等地に建設される分譲タワーマンション「ブランズタワー・ウェリス心斎橋NORTH」の詳細が明らかになったのだ。東急不動産株式会社、エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社が手掛ける、総戸数246戸・地上36階建で、大阪府では初めてとなる国土交通省推進「低炭素建築物」認定を取得している。

 住宅評論家の井口克美氏によれば、関西圏における新築マンションの契約者は年々、40〜50代以上の年齢層のシェアが上がり、シングルやシニアカップルのあいだで、希少性の高いタワーマンションは人気が高まっている。この物件は総戸数の60%にあたる147戸が50〜70平米の2LDKという仕様で、都心のタワーマンションへのニーズを強く意識しており、都市回帰願望を抱くシニア層のセカンドハウスとして、あるいは投資目的のオーナーにもアピールしそうだ。また、CO2排出量の抑制を目的とした外皮性能、1次エネルギー消費量などの基準を満たした「低炭素建築物」として大阪府初の認定を受けたことも、環境への意識の高い富裕層に好感されそうである。

 いま、御堂筋沿いの高さ規制の緩和やチャレンジ特区構想、グランフロント大阪2期開発、地下鉄なにわ筋線構想など、大阪北区・中央区を中心とした再開発事業が目白押しだ。これまで、関西の富裕層は兵庫県の西宮や芦屋に住むとされていたが、「ブランズタワー・ウェリス心斎橋NORTH」のようなマンションは、都心に居住する新たな富裕層を生み出し、中心街でのさらなる高額消費を呼び込む可能性も秘めている。8月3日時点で資料請求は約1200件、販売センターの来場者も200を超えたことからも、その注目度がうかがえる。

 来年1月からは、相続税の基礎控除が大幅に減額されることが決まっており、資産を不動産に置き換える動きがある。評価額が大きく下げられるタワーマンションは相続税対策としても有効とされている。第1期は9月下旬に販売を始める予定で、入居開始は2016年3月下旬になる見込み。、心斎橋エリア初の分譲タワマンが、大阪に元気を取り戻すきっかけとなるか。