2001年にスタートした確定拠出年金制度。企業、または個人が毎月積み立てるお金を個人が自分の判断で運用していく制度だ。超低金利が続く今、多くの専門家たちは「金融機関から預貯金や保険、投資信託に投資するよりも、確定拠出年金(DC)からのほうが断然おトク」と口をそろえている。

「個人型」の加入については自ら金融機関を選んで口座を開設するため、いくつかの留意点がある。

 現在、DCを扱う金融機関は都市銀行や地方銀行、信用金庫、証券会社など200社ほど。詳しく知りたい人は、国民年金基金連合会のホームページ内にある「運営管理機関」(http://www.npfa.or.jp/401K/operations/)にアクセスしよう。リストが掲載されている。

「金融機関を選ぶ際は口座管理料、商品の品ぞろえ、投資信託の保有コストの三つを基準に判断したほうがいいでしょう」(『年利15%でふやす資産運用術』<かんき出版>の著者でFPの竹川美奈子氏)

 例えば継続的にかかる「口座管理料」は年間2千円程度から、多いと7500円もかかる。事前に調べておきたい。また、どんな商品を買えるのかも重要だ。ファイナンシャルプランナー(FP)の深野康彦氏が言う。

「DCの投資商品を大きく分けると、『元本が確保される商品』と『元本が確保されない商品』の二つになります」

 元本確保型は定期預金を始めとする「預貯金」「保険」など。元本が確保されない商品は、投資信託、株式、国内外の債券を中心に運用する「MMF(マネー・マネジメント・ファンド)」など。ほとんどの金融機関が投資信託を活用しているという。

 DCの掛け金で選ぶことができる専用の投資信託は200本ほどあるが、「選ぶ際はリスクに十分な注意を」と警告するのは、投資情報会社QBRチーフファンドアナリストの清家武氏だ。

「投資信託のリスクとは、価格変動のある有価証券などに投資するため、元本割れすることだけでなく、想定以上の値動きをすることです」

 つまり、投資対象によりさまざまな投資信託のタイプがある。大きなリターンを期待できるタイプはリスクも大きく、小さいリターンしか期待できないタイプはリスクが小さい傾向がある。

 では、何を目安に投資信託を選んだらいいのか。一つの基準として「専用ファンドの純資産ランキング」(下の表)を紹介しよう。加入者に人気があるほど上位になっている。ただし金融機関ごとに扱っている商品が異なるので、実際に加入する際は、どんなタイプなのかを事前によく調べることが肝心だ。

 さまざまなタイプの中から、清家氏が薦めるのは「バランス型投資信託」。国内外の株式、債券、REIT(不動産投資信託)など、値動きの異なる複数の資産へ分散投資し、積極運用しながらも投資先をバランスよく分けることでリスクを軽減しようという趣旨になっている。

「積極的にリターンを取りに行きたいのであれば、日経平均株価などの指数に連動する『インデックス型』の投資信託を選ぶ方法もあります」(清家氏)

 元本が確保されない商品を選んだ場合、損失が出て、将来的に受け取る年金が減る。運用を誤ると老後の生活設計が狂うリスクが伴う可能性がある。

 十分な年金を受け取り、豊かな老後を過ごすためにも、リスクは極力抑えておきたい

◇確定拠出年金専用ファンドの純資産ランキング
ファンド名/運用会社略称/純資産総額(億円)
野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)/野村アセット/1022
三菱UFJプライムバランス(安定成長型)(確定拠出年金)/三菱UFJ投信/998
DCダイワ外国債券インデックス/大和投信/869
DIAM外国株式インデックスファンド〈DC年金〉/DIAMアセット/817
三菱UFJ DC国内債券インデックスファンド/三菱UFJ投信/774
DIAM国内株式インデックスファンド〈DC年金〉/DIAMアセット/663
DC日本債券インデックス・オープンS/三井住友トラスト・アセット/643
三菱UFJプライムバランス(成長型)(確定拠出年金)/三菱UFJ投信/640
DC日本株式インデックスファンドL/三井住友トラスト・アセット/596
DCマイセレクション50/三井住友トラスト・アセット/486

出所:QUICK・QBR
2014年6月末時点。対象は追加型株式投信で、確定拠出年金専用と判断できるファンド

週刊朝日  2014年8月15日号より抜粋