政府や厚生労働省は隙あらば年金の受給額を減らそうと改悪を試みる。この企みから老後を守るためのテクニックから、ひとつ紹介しよう。

 これまでは公的年金に最低25年間加入して保険料を払い続けないと受給資格は得られなかった。それが、消費税率が10%になるタイミングに合わせて(来年10月予定)、10年間に短縮されることになった。

 改悪ばかりの年金改革の中で、珍しく国民にメリットがある施策といっていいだろう。

 この改正によって、早期に独立するなどして保険料の未納期間が長い元サラリーマンや国民年金保険料を払わない期間が長かった自営業者など、加入が10年以上25年未満でこれまでは「無年金者」になるはずだった人が救済される。

「自分はほとんど保険料を払っていないから無年金」と思い込んでいる人は要注意だ。10年ならばクリアしている人も多いはず。自分の保険料支払い期間を年金事務所に問い合わせて確認するべきだ。

 年金博士として知られる北村庄吾氏(社会保険労務士)はこうアドバイスする。

「特に妻の加入歴は要チェックです。今までは結婚期間が25年未満の専業主婦だと第3号被保険者(※注)の期間も短くなるので無年金者が少なくなかった。しかし、今後は10年以上サラリーマンの妻であれば受給資格を得られる。結婚前に1か月でもOLをしていた期間があればその分の厚生年金も受け取れます」

【※注】サラリーマンや公務員の妻で、年収が130万円未満かつ夫の年収の半分未満であれば「第3号被保険者」となる。夫の給与から天引きされる保険料に妻の分が含まれているとするもので、保険料を納付せずに国民年金に入れる。

 妻の厚生年金は他の制度と同様に、自分で年金事務所に行って申請しなければ受給できない。もらい忘れは絶対に避けたい。

 さらに来年9月末までの特例措置として、納め忘れた保険料を10年前までって後納できる制度も利用価値が大きい。極端な例だと、全く保険料を払ったことがない人でも一括納付で最低限必要な10年の加入期間をすぐに作ることができる。

※週刊ポスト2014年8月15・22日号