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京都大学は7月30日、新たな材料設計手法により、従来のリチウムイオン電池の寿命を6倍以上にする材料開発に成功したと発表した。

同成果は、同大 工学研究科の田中功教授、田中勝久教授、藤田晃司准教授、シャープ 研究開発本部の西島主明主任研究員らによるもの。詳細は、英国科学誌「Nature Communications」に掲載された。

今回の成果は、リチウムイオン2次電池の正極材料である。従来型の材料開発では、研究者の勘と経験に基づき試行錯誤的に多くの合成と評価の実験を繰り返して行なわざるを得なかったため、最適な化学組成の探索がボトルネックとなっていた。これに対し、今回の研究では、量子力学の原理のみに基づいて原子構造や特性を予測することが可能な第一原理計算を数千種類という、多数かつ高精度に実施し、そのデータを活用してハイスループットスクリーニングすることで、最適な化学組成を効率的に見つけ出す手法が開発された。その結果、材料開発の効率が大幅に向上できたという。このような、マテリアルズインフォマティクスと呼ばれる分野は、ごく最近になって世界中で研究が開始されているが、今回の成果は、その先駆けとなる重要なものであるとしている。

また、同手法は、さまざまな材料分野に適用できるので、今後は、データ科学、情報科学における最先端の成果を吸収することでさらに手法に磨きをかけ、材料開発研究を加速する実証例を積み上げていく。また、今回の研究で発見された超長寿命リチウムイオン電池は、電気自動車や再生可能エネルギーの蓄電など、大型機器への応用に適しているので、その技術開発も進めていくとコメントしている。