ザ・メモリアルトーナメント(5月29日〜6月1日/オハイオ州)で米ツアー初優勝を飾った松山英樹。その後、日本人選手初のメジャー制覇に照準を絞って準備を重ね、全米オープン(6月12日〜15日/ノースカロライナ州)と、全英オープン(7月17日〜20日/イングランド・リバプール)に臨んだが、全米オープンは35位タイ、全英オープンは39位タイに終わった。

 今季、残るメジャーは現地8月7日から(10日まで)開幕する全米プロ選手権(ケンタッキー州)。世界のトッププレイヤーが集結し、再びハイレベルな戦いが予想されるが、松山の巻き返しはあるのか、注目される。

 その全米プロ選手権を前にして、松山はWGCブリヂストン招待(7月31日〜8月3日/オハイオ州)に挑んだ。全英オープンではパッティングに苦しんでいたが、同トーナメントでは松山本人が「いい感じで打てている」と語っていたとおり、安定したパットを披露。週末の2日間でスコアを伸ばして、通算6アンダー、12位タイでフィニッシュした(優勝は、通算15アンダーのロリー・マキロイ)。

 初日、2日目は、ドライバーがやや不安定で苦しんだ。初日はインスタートの10番、11番と、出だしで連続ボギー。14番でもボギーを叩いて早々に3つスコアを落とした。しかしその後、なんとか盛り返してトータル「70」のイーブンパー、28位タイで終えた。

「今日は、いいところを探すのが大変。ドライバー以外は、ショットも、パットも、感覚としてはいい感じで打てているんですが、結果につなげられなかった。すごくもどかしい感じですね。ドライバー? 前半も後半も、あまり変わらず、よくなかった。ドライバーが(自分には)合わないんですかねぇ......」

 2日目は、初日よりドライバーはよくなったものの、3番と5番ホールでミスをしてダブルボギーを叩いた。3番パー4では2打目を池に落とし、5番パー3では2打目のバンカーショットを1mに寄せながら、そこから3パットを喫した。結局、そのふたホールの結果が響いて、通算1オーバー、36位タイに後退した。

「3番(のダブルボギー)は、欲をかいてミスしてしまった。そういうミスはなくしていかなければいけないと思う。パッティングに関しては、悪くないと思っているし、自信を持って打っているけど、入らない。それで、波に乗れない感じですね。何が原因なのかわからないけど、ストロークを安定させていけばいいのかな......」

 一転、3日目、4日目の勝負どころで、松山は圧巻のプレイを見せた。3日目は1イーグル、5バーディー、2ボキーの「65」。この日のベストスコアを記録して、通算4アンダー、10位タイに浮上した。

「(インスタートの)後半2番ホールでイーグルを出してから、だいぶいいプレイができるようになった。このまま練習していけば、という感じにはあるけど、それがうまくいかないのがゴルフ。ショットはよくなっているので、あとはパッティングとアプローチかな。まあでも、これくらいのプレイを毎日続けられたら、上位にいけると思う。今回は初日、2日目とそれができなかったので、今の順位(10位タイ)にいるけど」

 最終日もキレのあるショットが光った。出だしの1番、2番とバーディーを連発。11番を終えた時点で4つスコアを伸ばして上位に名を連ねた。結局、13番、15番とボギーを叩いて、優勝争いに加わるほどの大躍進とはならなかったが、スコアをふたつ伸ばして通算6アンダー、12位タイとまずまずの結果を残した。

「ある程度いいショットが打てたし、バーディーチャンスも多かった。あとは、それを決め切るだけのパッティング技術とラインの読みかな、と思う。でも、そんなにパットは悪いとは思っていないので、まっ、そのうち入るでしょ」

 初日のラウンド後、昨年の大会からの成長ぶりを問われた松山は、「成長したな、という部分は感じない。そう感じるくらいうまくなっていればいいけど、そういう感じもしない」と語った。しかし終わってみれば、昨年の通算1オーバー、21位タイという成績からは大きく躍進。それも、徐々に調子を上げていく松山らしいスタイルが戻ってきてのものだ。最後のメジャーを前にして、非常にいい傾向にあると考えていいだろう。

「週末の2日間でここまで順位を上げられたのは、すごくよかった。最近はなかったプレイもいくつか出せて、よかった感じがする。試合はこれから6週続いていくが、それに向けて、少しでも今週のプレイを生かしていけるようにやっていきたい。全米プロ選手権? メジャーは、今のパット(の調子)ではあまり期待できない。でも、ショットがよくなってきているので、このショットが初日からできれば、パットが悪くても上に行けると思う」

 全英オープンの際には、「ショットの手応えはよくない」と調子自体に不満を漏らすことの多かった松山。それでも、予選ラウンドを難なく突破して、4日間奮闘した。それに比べて今は、「いい感覚でショットは打てている」という。はまれば、十分に勝機は見えてくるはずだ。

 加えて、ブリヂストン招待では舞台となったファイアーストーンCCの狭いフェアウェーに苦しめられたが、全米プロ選手権が行なわれるバルハラGCのフェアウェーは広く、ティーショットでストレスを感じないのは、好材料となるだろう。さらに言えば、初優勝を飾ったザ・メモリアルトーナメントの主催者だったジャック・ニクラウスが設計したコースというのも、松山にとって、プラス要素になるような予感がする。日本人初のメジャー制覇へ、期待は膨らむ。

text by Sportiva