大工ロボットを

国土交通省が急募!

最終目標は完全無人施工

政府が介護用ロボットの開発支援に乗り出すことを材料に、株式市場では6月にかけて、CYBERDYNE(サイバーダイン)などの関連銘柄の急騰が相次いだ。次は建築・土木向けロボットが脚光を浴びそうだ。

東日本大震災の復興、2020年の東京五輪開催、安倍内閣による公共事業拡大など、大型建設案件がめじろ押しだ。ただ、受注がいくら豊富でも、現場では工事の進捗を危うくする深刻な問題を抱えている。それは人手不足。

これまで現場を支えてきた熟練職人が大量に引退し、技術の継承や発展どころか日々の工事にも支障が出ている。賃金の引き上げで職人を確保するゼネコンもあるが、その分どこかで人手が足りなくなり、抜本的な解決には程遠く、業界全体で人件費高騰が悩みのタネになっている。

そこで国土交通省は一昨年、有識者による「建設ロボット技術に関する懇談会」を設置。無人化施工をめぐる基礎調査や政府による支援の方向性について、議論を重ねてきた。そして国交省はこのほど、2017年度の実用化を目標にロボット技術の公募を実施した。高所作業を伴う橋梁やトンネル、ダムなどの点検や難易度の高い水中作業、災害復旧などの用途に役立つ技術を競うもので、企業や大学などからの応募があったという。7月までに候補を絞り込み、10月から12月にかけて実用に耐えうるかどうか評価試験をする予定だ。

この手の技術コンペは商用化に遠いものが多いが、今回は「短期(3年以内)に実用化が見込まれる技術」という厳しい条件が付いている。

国交省のお墨付きが得られれば、次は量産化へと歩が進む。電機・機械メーカーの新ビジネスになるだけでなく、人手不足に悩む建設業界の工事の安全確保と安定受注にもつながるだろう。(伊地知慶介)

ロボットブームの背景には、少子高齢化による就業人口の減少がある。介護、建築、自動車運転と無人化技術の開発が加速しそうだ。
この記事は「WEBネットマネー2014年9月号」に掲載されたものです。