相続税の大増税まで半年を切った。今回の増税の最大のポイントは、基礎控除額が8000万円から4800万円になること。都内では半数以上が申告対象者になるが、有効な対策を講じている人は少ない。「生命保険を使う」「生前贈与を使う」など、節税方法は色々と存在するが、不動産は最大の相続財産となることが多いだけに、その相続税計算上の評価額を下げることは有効な節税術となる。

 高齢の親と別居しているのであれば、子供が同居するだけで一気に自宅の評価額を80%カットできる方法がある。「小規模宅地等の特例」の活用である。

 例えば評価額5000万円の土地は、特例を適用すれば80%減の「1000万円相当」として相続税を計算できる。自宅とは別に別途3000万円の現預金があったとしても相続財産は合計4000万円相当となり、相続人が2人いれば(基礎控除額は3000万円+600万×2人=4200万円だから)相続税がかからなくなる。

 特例を使うには不動産を受け取る側に要件があり、「(1)配偶者」か「(2)同居している親族」であることが必要だ。

 親が90代以上の高齢であれば、すでに父親か母親が亡くなっていて1人暮らししているケースが多く、その場合は(1)が適用できない。そのため子供が「(2)同居している親族」になることが手っ取り早い。親の介護や身の回りの世話で子供が頻繁に実家通いをしている家庭は多い。それならば同居を検討すべきだろう。

 両親が健在でも90代以上となれば、近い将来、子供へバトンタッチすることを考えなければならない。仮に父親が先に亡くなれば、その時は(1)の要件で母親に相続することができる。だがその先、母親も亡くなれば、やはり(2)の要件で子供に継ぐことが重要になってくる。

※週刊ポスト2014年8月8日号