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慶応義塾大学(慶応大)は7月28日、カメラを用いず、センサなどを身につけることなく、低解像度赤外線アレイセンサを用いて人の行動を識別できるシステム、および電波を用いてまばたきを検出できるシステムを開発したと発表した。

同成果は、同大 理工学部 情報工学科の大槻知明教授らによるもの。詳細は、7月30日〜8月1日に京都で開催される電子情報通信学会主催の「知的環境とセンサネットワーク研究会」、および9月2日〜5日にワシントンD.C.で開催される「IEEE 25th Annual International Symposium on Personal, Indoor, and Mobile Radio Communications(PIMRC2014)」にてそれぞれ発表される。

行動識別システムは、電子レンジやエアコンなどの高機能家電や、空調・照明制御などのオフィス省エネに用いられている低解像度の赤外線アレイセンサを利用したものである。低解像度の赤外線アレイセンサで得られる監視範囲の低解像度の温度分布に基づき、複数の行動を識別できる。センササイズは11.6mm×8.0mm×4.3mmと小さく、設置スペースや設置時の見た目も問題にならない。検出性能として、人の転倒を約97%という高精度で検出できることを確認しているという。

まばたき検出システムは、自動車の速度や野球の投手の球速を測るのに使われているドップラセンサを応用し、電波を用いてまばたきを検出するものである。具体的には、まばたきによって生じるドップラ周波数の変化を、雑音低減や信号強調、信号識別などの信号処理により高精度に検出する。例えば、タイピング作業中には95%、頭の動きが比較的大きいVDT作業中にも81%のまばたき検出率を達成した。

今回の成果によって、センサ装着の煩わしさやカメラによる心理的負担なしに、行動識別システムでは高齢者などの見守りが、まばたき検出システムではドライバー(運転者)の眠気検出や、勉強時・コンピュータなどを使った作業時の疲労度・集中度・眠気の検出が可能になる。また、後者はドライアイ防止にも使用できるとしている。