大型の車が行き交うプノンペンの目抜き通り【撮影/木村文】

写真拡大

朝日新聞のマニラ支局長などを経て2009年に単身カンボジアに移住。現在は現地のフリーペーパーの編集長を勤める木村文さんのカンボジアレポート。カンボジア富裕層のシンボルだった大型車から、狭い道路を走る庶民の気持ちを反映した小型車へ。「小さな車」はプノンペンの定番となるか?

内戦終結後、「レクサス」はカンボジア富裕層のシンボルだった

 1993年夏、私が初めてプノンペンに来た時、走っている車といえば国連暫定統治機構(UNTAC)の車だった。やたらと図体の大きな車が小さな街を走っていたが、そのころは道路も多くは未舗装だったし、雨が降れば洪水だし、首都のど真ん中でさえ泥にはまるような道の悪さ。何より、首都と、いまだ紛争地であった地方を行き来するには、ランドクルーザーのような大型車が必要であることは、よく理解できた。バイクもあまりなく、庶民の交通手段は主にシクロ(自転車で座席のついたカートを押し走る)だった。

 内戦終結後の復興期になると、バイクも増えてきたが、「これでもか」とばかりに黒塗りの高級車ばかりが走るようになった。それも、判で押したようにトヨタ「レクサス」。ご丁寧に車体にLEXUSと書いてあるから、車音痴の私でも名前を覚えてしまう。レクサスは戦後復興の期間、長い間、カンボジア富裕層のシンボルとして、揺るがぬ人気を誇ってきた。

 その「レクサスの時代」が終わりを告げつつある。と、いうと時期尚早かもしれないが、首都プノンペンを見る限り、車の所有者そのものが増えていると同時に、車種も多様化してきている。割賦販売が浸透すれば、「こんな車に乗りたい」という消費者の嗜好ももっと多様化するだろう。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)