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プロバイオティクスと呼ばれる、乳酸菌などの身体にいい細菌を健康維持や病気の予防に役立てようという考え方に最近、日本で注目が集まっている。

その一つである、LG21乳酸菌は胃酸に比較的強く、胃粘膜に付着する性質がある。最近では、胃の常在菌叢を改善する働きに関しても期待がされている。当初はピロリ菌を抑制し、胃潰瘍などの予防に役立つという効果が注目されていたが、最近になって、胃食道逆流症や機能性ディスペプシアなどの症状である、胃の不快感を軽減する可能性があるとことが新たにわかった。そうした研究結果が学術誌に掲載されたり、2014年6月24〜26日にハンガリーのブダペストで開かれた国際学会で発表されるなどして、世界的な反響を呼んでいる。

胃の常在菌叢を改善する働きにも期待

同学会で発表をおこなった日本プロバイオティクス学会理事長で東海大学医学部基礎医学系感染症研究室の古賀泰裕教授によると、日本ではここのところ食生活の変化が原因で、若い人の間に、胃酸が食道に逆流して胸やけなどの症状を起こす胃食道逆流症が増えている。治療には、プロトポンプ阻害薬(PPI)と呼ばれる胃酸が出るのを防ぐ働きをする薬を使用するが、この薬によって胃酸分泌が抑制されて、胃の常在菌叢の数や構成が変わってしまうことが研究によりわかった。こうしたことが、治療を続けていても不快感が改善されない原因になっている可能性もあるという。

古賀教授らの研究では、PPIを服用している人たちが3か月間LG21乳酸菌入りヨーグルトを食べ、症状の変化について調べたところ、そろって不快感が軽減されたか、あるいは症状の軽い人については悪化が食い止められていたことが明らかになった(グラフ)。さらに、3か月後も効果が維持されているという結果が示されたという。

古賀教授は「学会での反響はかなりよかった。今後はピロリ菌以外の胃内常在細菌叢の改善効果、病気の予防にどのくらい効果があり、胃の健康に寄与するのかさらに研究を進めていきたい」と話している。