訪韓が裏目に?

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東京都の舛添要一知事が韓国を訪問し、パク・クネ大統領らと会談したことに対し、都にクレームが殺到している。「反日感情が強い国と付き合う必要があるのか」といった声が強いのだ。

冷え込んだ日韓関係に暖かい風を吹かせたと胸を張った舛添要一知事だが、ネット上などでは逆に、批判的な声が沸き立っている。

「90%以上の都民は韓国が好きと発言」と報じられる

慰安婦問題などを訴えるパク大統領らに、いいように利用され、日本が屈服したような印象を世界に与えた、というものだ。

韓国メディアが報じたその言動にも、バッシングが相次いだ。特にやり玉に挙がったのが、ソウル大での講演で舛添知事がしたと韓国の聯合ニュースが報じた次の発言だ。

「90%以上の東京都民は韓国が好きなのに、一部がヘイトスピーチをして全体を悪くしている」

内閣府が13年10月に行った世論調査の結果では、58.0%もが韓国に親しみを感じないと答えている。ほかにも同様な調査結果ばかりなのに、舛添知事はウソをついているのではないかということだ。

また、韓国の中央日報が、「舛添知事は都知事の名札にハングルの名前を併記するほど親韓派」だと韓国政府関係者が話したと報じたことも、物議を醸した。さらに、その記事では、舛添知事は韓国の国会議長との会談でも、「1930年5月に福岡県若松市議会議員に出馬した父親弥次郎氏が広報チラシにハングルの名前を併記し、当時福岡に住んでいた韓国人の人権改善を公約として提示した」と話して、父親の広報チラシ写真を見せたと書いている。

東京都庁には、訪韓した舛添知事への意見が電話やメールなどで次々に寄せられており、2014年7月28日朝までに、電話が約400件、メールは6000件以上にもなった。

「知事の交友範囲内で90%以上と発言していた」

東京都の広報担当者によると、そのほぼすべてが訪韓反対の意見で、前出のクレームのほかに、「韓国に都民の税金を使ってほしくない」「少子化、介護など都民のために使うべきで、都知事が外交をする必要はない」との声が多かった。

ネット上では、舛添要一知事をリコールしようという呼びかけも、フェイスブックなどで起こった。ツイッター上のハッシュタグ「#舛添東京都知事リコール」には、「国益を損ねた」「日本人なら怒る」といったつぶやきが続々寄せられている。リコールに向けたデモ計画もあるようだ。ただ、地方自治法の規定で、知事就任から1年でないと請求できず、署名も2か月で100万件を大きく超える数を集めなければならない。

舛添知事のソウル大での発言については、都の外務課では、報道と実際が食い違っていると話す。テープを起こして聞くと、舛添知事は「9割以上の日本の人たちが韓国が好きだし、私が付き合っている限り」と話していたという。つまり、舛添知事の交友範囲内での話ということらしい。通訳の訳し方が影響した可能性があるといい、聯合ニュースにどう対応するか検討中だとしている。

また、名札にハングルの名前を併記したのは、訪韓中のことではないという。名札は、舛添知事の都庁執務室に現在も置いてあり、関係者同士でその話が伝わっただけとみる。舛添知事が知り合いの韓国人からもらったものだといい、気に入っているので置いているのではないかと言っている。

父親の広報チラシにハングルの名前を併記してあったのは事実で、当時は、韓国併合後にハングルによる投票が有効とされていたという時代背景があったそうだ。

もっとも、舛添知事が訪韓したことで、こうした話が韓国に利用されてしまった面は否めないようだ。