外国人患者を専門に診る病院の物語

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人手不足で外国人労働者の入国緩和が議論されている。日本人ばかりだった職場に、ある日突然、外国人がやって来たら? 今ある「あうんの呼吸」を期待するのはあきらめたほうがいいだろう。価値観や習慣の違う相手と、どうやってうまく付き合えばいいのか。

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処方薬を黙って飲むのは日本人だけ?

『患者さまは外国人 無国籍ドクターと空飛ぶナースのドタバタ診療日誌』

東京・六本木には外国人患者を専門に診る病院がある。看護師の奮闘ぶりをユーモアたっぷりに紹介したコミックエッセイ、阪急コミュニケーションズの『患者さまは外国人 無国籍ドクターとナースのドタバタ診療日誌』(著・山本ルミ、世鳥アスカ、1296円)によると、ここでの仕事は外国語が堪能、ただそれだけでは勤まらない。信心深いイスラム系の患者は、診察中であっても時間が来るとお祈りを始めるし、妻の体を男性医師が診ることは許さない。欧米人は、薬ひとつ処方するにも、「なぜ1日3回なのか」「副作用は出るのか」と質問攻めにしてくる人が多い。「日本ではそうしないから」と突っぱねてみたところで、問題は解決しない。異国での病気やケガは心細かろうと、どこまでも受け入れる病院のホスピタリティに感服する。

言葉以上に通じないもの

『おにぎりはどの角から食べるのがマナーですか? ―ホームステイ外国人のニッポンびっくり体験』

グローバルマインドを育てるにはどうしたらいいのか。思い切って国外に飛び出すのもいいが、今の暮らしを続けながらできる方法もある。祥伝社の『おにぎりはどの角から食べるのがマナーですか? ―ホームステイ外国人のニッポンびっくり体験』は、留学生との暮らしを通じたおもしろエピソードを紹介した一冊だが、ホストファミリーの入門書としても通用する。著者によると、ゲストの目的が日本語習得だから、受け入れ側の語学力はそれほど高くなくても大丈夫。どうしても伝えたいことはWeb翻訳に頼ればいい。だが、意味が伝わったとして、同じ方角を向けるかどうかは別だ。喜ばれると思って、ていねいに英語で説明しながらおにぎりを握っても、海苔を不気味がって口をつけようとしない相手もいる。いちいち落胆しないで、笑い飛ばせるタフな心が必要だ。

心の筋トレ実践編

『世界一周ひとりメシ in JAPAN』

外国人を自宅へ招く前に、幻冬舎の『世界一周ひとりメシ in JAPAN』(著・イシコ、648円)のように、各国の料理店を1人で巡ってみるのもアリだ。客と店員は、食事をしている間だけの"ライトなお付き合い"。1人で行くところがミソで、度胸とコミュニケーション力を試せる。ドアを開ければそこは異国。著者はまさかの人見知りで、席を選ぶのも、注文するのも躊躇してしまう。店員と目が合っては、気まずくなってシドロモドロする姿がおかしい。名古屋にありながら日本語が通じない中国料理店では、蚕の素揚げと犬肉の火鍋に悪戦苦闘。注文を後悔しながら黙ってビールを何杯も飲み続ける。ひとりごとのように語られる各国の歴史やデータ。そこまで知っているのに、著者の会話はいまいち盛り上がらない。このウンチク、実際に役立てられるかは読者次第だ。