[国際ユースサッカーin新潟]U-17日本代表、圧倒的にボール支配もアメリカに逆転負け

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[7.13 国際ユースサッカーin新潟第1戦 U-17日本代表1-2 U-17アメリカ代表 スポアイランド聖龍]

 13日、第17回国際ユースサッカーin新潟が開幕し、U-17W杯UAE2013(10月開幕)を控えるU-17日本代表がU-17アメリカ代表と対戦。前半37分に左SB野口航(大津高)のゴールで先制したものの、後半の2失点によって1-2で逆転負けした。日本は14日の第2戦でU-17新潟選抜と対戦する。

 雨中で圧倒的にボールを支配した日本だったが、結果に結びつけることができなかった。今回の新潟合宿を“仮想U-17W杯”と捉えている日本は10日にU-17北信越選抜と練習試合を行い、6-0で快勝。それから中2日で迎えたこの日、U-17W杯グループリーグ第2戦と想定したアメリカ戦に勝つと“グループリーグ2戦2勝”で決勝トーナメント進出が濃厚となる計算だ。最低でもグループリーグ突破へ前進することができる引き分け以上、そして昨年のモンテギュー国際大会でPK戦の末に敗れているアメリカにリベンジすることを目標に試合へ臨んだ。

 ゼロトップシステムのトップ下に鹿島アントラーズ加入内定のMF杉本太郎(帝京大可児高)を配置した布陣で試合に臨んだ日本は、ワイドトップの位置から右FW小川紘生と左FW渡邊凌磨(前橋育英高)が中へ潜り込むことでできたスペースに右の会津雄生(柏U-18)と左の野口の両SBが入り込んで厚みのある攻撃を繰り出す。ボールを左右へ動かして揺さぶりをかけると、MF三竿健斗(東京Vユース)がアンカーの位置からワイドへピンポイントの好パスを配球し、ドリブル突破も武器とするフロントボランチのMF須藤駿介(静岡学園高)とMF三好康児(川崎F U-18)が個人技で縦、横に切りつける場面もあった。

 そして19分には左中間でインターセプトしたCB中山雄太(柏U-18)を起点に前を向いた杉本がスルーパス。これに小川がスライディングで飛び込み、24分には渡邊のスルーパスから野口がシュートへ持ち込む。33分にはパスカットされたボールにプレッシャーをかけた野口が左サイドでインターセプトすると、そのまま縦に抜け出しラストパス。タイミング良く飛び込んだ須藤が右足で合わせたがシュートは精度を欠いて枠を越えた。

 前線で杉本がキレのある動きを見せ、また三好や会津のミドルシュートも交えて攻める日本は37分、ついにスコアを動かす。杉本とのコンビで右サイドの打開を図った小川がこぼれ球を拾って中央へつなぐと、渡邊を経由したボールが左サイドからPAへ飛び込んできた野口の下へ。これをコントロールした野口が左足シュートをねじ込んで先制点を奪った。

 前半終了間際にはバケツをひっくり返したかのような土砂降り。日本は強雨の中でもチャンスをつくり、44分には自陣からのカウンターから渡邊とのワンツーで一気に抜け出した須藤がGKと1対1になる。だが、PA内左45度から放ったこのシュートがサイドネットへ外れると、メンバー2人を入れ替えた後半の5分にカウンターからFWアンドリハ・ノバコビッチに抜け出され、鮮やかなループシュートによって同点に追いつかれてしまった。

 吉武博文監督は「相手の崩しがあった訳ではなくて自分たちで崩れてしまった。自分たちの攻撃の形の不備を突かれてしまった。バランスのよい形で攻撃しないと失点してしまう。(相手が中央を固めた中でも)2点目、3点目を取れるかどうか。でも我々としては1-0のままでもいいっていうことだったんですけれども、失点してしまうという未熟さというか、まだまだ日本のサッカーができていないなというのがあります」と表情を曇らせた。後半もボールを支配していた日本だが、サイドのスペースを感じることができずに人数を掛けられなかったり、DF間に選手が潜り込んでいるのにその選手にボールをつけられなかったり、判断・精度の部分で課題を残した。

 他にも縦パスを入れるタイミングを急いでしまってカウンターを食らったり、シュートチャンスを見誤ってしまうシーンも散見した。それでも後半15分には須藤の中央突破から渡邊のスルーパスで交代出場のMF瓜生昂勢(筑陽学園高)がPAへ切れ込み、35分にはCBからアンカーへポジションを上げた鈴木徳真(前橋育英高)の展開から野口が中央へ折り返し、交代出場のMF水谷拓磨(清水ユース)が右足を振りぬく。

 確かにボールは支配し、チャンスもつくっていたが、精度の高い崩しができなかったことを選手たちは反省していた。鈴木は「受け手と出し手の関係というところで、受け手のどういうところで受けたいのかというアクションと、出し手がいつでも出せるよ、という状況がつくれればいいと思いました」と分析したように、より細かな部分の向上が必要。フィニッシュするまでに細かなミスが続いた日本は逆に38分、バイタルエリアにできたスペースを突かれてボールを運ばれると、最後はFWルビオ・ルビンに右足シュートをゴールヘ沈められ、逆転されてしまった。

 追う立場となった日本は47分、右サイドを突いたDF石田峻真(磐田U-18)の折り返しにDF坂井大将(大分U-18)がスピードに乗って飛び込んだものの、シュートは枠を捉えず。勝ち点を加えることができなかった。「1-1になったならば、1-1のままでも全然OKな訳で相手の崩しがないのであれば、ずっとボールを保持し続ければいい。不可能かもしれないですけれども、90分間ボールを渡さないというか、ゴールにも行かないけれど、渡さないというようなゲームを我々は2年間やってきたのにも関わらず、変な形の失点をしてしまうというところは残念かなと思います」と指揮官。ゲーム主将を務めた野口は「90分間を通してボール保持というところでは自分たちがほとんど保持できていたと思うんですけど、保持している中でも1本のパスミスとかで簡単に失点してしまった。やっぱり世界はそこで決めてくるので、そういうところが課題かなと思いました。きょう負けてしまったのであと2戦は勝つしかない。まずはしっかりとボールを保持して、その中で勝ちにこだわって残りの2戦勝ちたいと思います」と力を込めた。

[写真]前半37分、日本はSB野口の左足シュートを決めて先制したが…

(取材・文 吉田太郎)