[国際ユースサッカーin新潟]“世界8強世代以上”の質も「結果が出ないのは、まだまだ」U-17日本代表、3連敗で終戦

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[7.15 国際ユースサッカーin新潟第3戦 U-17日本代表0-1 U-17クロアチア代表 東北電ス]

 第17回国際ユースサッカーin新潟は大会最終日の15日、2試合を行い、U-17W杯UAE2013(10月開幕)へ向けて準備を進めているU-17日本代表は、U-17クロアチア代表に0-1で敗れた。日本はこれで3戦全敗。4チーム中、最下位で大会を終えた。

 試合終了の笛とともに、サムライブルーのユニフォームをまとった選手たちが手で顔を覆い、膝に手をついて無念さをにじませた。昨年のAFC U-16選手権(U-17W杯アジア最終予選)でMVPを獲得しているFW杉本太郎(帝京大可児高)は「引いて守ってくる相手に対して自分たちが崩しきれずに、ゴールを奪いきれずに終わったなというのがあります。自分たちは代表として戦っている。日本代表という名を背負って戦っているので、3連敗というのは率直に悔しいし、情けない」。FW南野拓実(現C大阪)やCB植田直通(現鹿島)、CB岩波拓也(現神戸)らを擁した2年前はU-17W杯でベスト8進出。96年生まれ以降の選手たちで構成されている現U-17代表、通称「96JAPAN」は2年前に世界で旋風を巻き起こした94年生まれ以降の選手たち「94JAPAN」以上の質にこだわってトレーニングを重ねてきた。実際に手応えも掴みつつある。ただ、杉本は「監督たちからも『94よりは質とか高い』と言われる。でも、こういう大会で結果が出ないのはまだまだと思う」と首を振った。

 “世界基準”の壁は堅かった。日本はU-17アメリカ代表、U-17新潟選抜、そしてこの日のクロアチア戦を通じて1得点。全ての時間帯ではないものの、ボールを保持して崩していくサッカーで試合を支配し、決定機も何度もつくった。特に新潟選抜戦、クロアチア戦では相手を崩してコースへ痛烈なシュートを放っているにも関わらず、相手GKがスーパーセーブを連発するなど紙一重と言える内容。それでもPAで籠城する相手からゴールを奪うことはできなかった。

 ここまで2連敗で意地の1勝を目指して戦ったクロアチア戦は前半9分に相手の10番、MFロベルト・ムリッチに左足シュートを叩きこまれて失点。ただ22分には素早いパス交換から左サイドへ展開し、FW渡邊凌磨(前橋育英高)が中央へ入れたラストパスをFW小川紘生(浦和ユース)が左足ダイレクトで合わせる。強烈なシュートがゴールを捉えたが、これがGKに阻まれると、こぼれ球に反応した渡邊のシュートもゴールを破ることができない。

 それでも25分にはパス2本でギャップをつくり出すなど相手DFを振り回し、27分には中央から右前方への動きでDFを外したMF水谷拓磨(清水ユース)の右足シュートがゴールを襲う。そして34分にはテンポの速いショートパスで相手の左SBを攻略。オーバーラップした右SB会津雄生(柏U-18)の決定的なラストパスが中央へ走りこんだ渡邊の足元に入った。

 ただ、わずかにタイミングが合わずに得点できなかった日本の前に、後半はGKマルコ・マリッチが立ちはだかった。後半5分、交代出場のMF瓜生昂勢(筑陽学園高)が放った右足ミドルがゴール右上隅を捉えたが、GKが好反応でかき出すと、直後の右CKでは小川のキックにCB三竿健斗(東京Vユース)がニアサイドへ飛び込む。鋭いヘディングシュートがゴール左隅を捉えたが、これもマリッチがビッグセーブ。右手に当ててゴールを許さない。 

 前半から後半初めかけて決定機をつくっていた日本は、その後もボールを保持してワンツーやダイレクトのパスを狙おうとするものの、攻撃が単調で中央を固めるクロアチアの脅威にはならなかった。吉武博文監督は「相手の嫌なところを突いていくことが目的なのに、そのシチュエーションをつくるワンツーのパスをすることとかが目的になってしまっている。そういうことではなくて、いかに相手を崩していくか、いかに決定機をつくっていくかというところが目的にならないといけないのに、こういうゲームになってくると段々薄れてくる。どこでテンポを上げるか、どういう形で縦にボールを入れるかというところが『共鳴』できていない。入れたいと思っても人がいないとか、抜けたいと思っても入れるほうが見ていないとか、どうやって崩すというイメージができていないと思います」と指摘。相手の狙いや相手がどこを守ろうとしているかを把握し、選手間でイメージを合わせて、アクションすることができていなかった。また、ゴールを奪うという姿勢ももっと欲しかった。ドリブルで4、5人をかわすことは難しいとしても、囮の動きを使ってサイドから個で縦に仕掛けたり、後方から3人目の選手がパワーを持って飛び込んでくるような強引さも必要。選手たちにとっては「外からの攻撃はない」と判断していたクロアチアの守り方を見ぬくような判断力、そしてより高い質の必要性を学ぶ試合となった。

 もう少し相手のレベルが低ければ、ゴールを量産していてもおかしくないような大会だった。ただ“世界基準”の守りは堅い。吉武監督は「アメリカは(世界大会で)いつもベスト16に入っているし、今回のクロアチアも世界大会に出るということで“世界基準”のチームと試合することができて、その印象は堅かったなと。(PAに砦をつくられると)破れなかった。ポジティブに考えると、世界大会に行く前にこの経験ができて、大会には凄く感謝しています。もう3か月ありますので、いかにこじ開けられるか」。また小川は「結果は敗れてしまったんですけど、相手が日本のサッカーを嫌がっていたのは確かなので、それを継続して、まず点を取れるように改善していきたいと思います」。U-17W杯まで残り3か月。今回、結果が出なかったことは非常に残念だったが、高いレベルの相手を攻め続け、経験を積むこともできた。得た課題を今後につなげなければならない。今秋“世界で舞う”ために、より意識を高め、質を高めて大舞台に臨む。

(取材・文 吉田太郎)