画像は番組ウェブサイト「武器はテレビ。 SMAP×FNS 27時間テレビ」(フジテレビ)より

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「週刊文春」(7月31日号)がジャニーズJr.の「妊娠・堕胎・ポイ捨て」スキャンダルを報じ、話題になっている。俎上にあげられたのは、森田美勇人というメンバーで、記事によれば、今年3月、森田と交際していた女性が妊娠。ところが「産みたい」という女性に対し森田は「俺の立場も考えてよ」「俺は芸能人だから無理」などと不誠実な対応を繰り返し、中絶同意書へのサインも拒んだという。

 最終的に女性は堕胎したものの、その後も森田は逃げの一手。森田は女性との話し合いの席に自分の母親を呼び出して同席させたのだが、この母親も息子の行為を謝るどころか女性を悪者扱いし、罵倒したという。文春の記事では、話し合いの録音テープを元にした生々しいやり取りも再現されている。

 ファンにとってはショッキングなニュースだが、実はジャニーズのこうした話はけっして珍しくない。十数年前には、森田とは比べ物にならない超大物のジャニーズタレントにも同様のスキャンダルが発覚している。

 その超大物タレントとは、SMAPのリーダー・中居正広だ。中居クンといえば、今やアイドルというより老若男女から広い支持を集めるナンバーワン司会者。今日放映予定の『武器はテレビ。SMAP×FNS27時間テレビ』(フジテレビ)でも鮮やかな仕切りが期待されているが、その中居クンが当時、定期的に肉体関係をもっていた女性から「子供を妊娠・中絶した」と告白されているのだ。

 この告白が掲載されたのは、本サイトのスタッフがかつて編集にかかわっていた月刊誌「噂の真相」(2000年12月号)の「国民的アイドルSMAPリーダー中居正広を襲った妊娠中絶劇の顛末独占衝撃告白」という特集記事。

 告白によると、中居クンと相手の女性は1996年、彼女が20歳のときからの付き合い。一時、別れていたが、2000年になって、中居クンからまた連絡が入るようになり、関係が復活。それからしばらくして、彼女が妊娠したのだという。

 彼女は中居クンに妊娠を報告し、「できればうみたい」と告げるが、中居クンは「もしうんだら事務所に切られてしまう」と拒否。「大丈夫だよ、まだただの細胞だし、手術だって簡単でたいしたことはない。俺の友達も何人も下ろしているけど、その日のうちに仕事だってできちゃうくらいだし」と、なんとも軽い調子で中絶を迫っていた。

 その後、何度も話し合いを続けるが、最終的には中居クンから「産んでも認知しないし養育費も払わない。生まれた子供に一生会うつもりもない」と宣言される。さらに、SMAP育ての親として知られる飯島三智マネージャーまでが出てきて「あなたのエゴで遊び相手の子供を産んでも、子供もあなたも不幸でしょ」とおろすことを迫られ、彼女は中絶をさせられてしまう。

 にわかには信じがたいような話だが、告白は具体的かつ詳細で、入念な裏取りもされていた。しかも、告白した女性は中居クンに中絶同意書にサインをさせており、「噂の真相」は同号のグラビアで、その中絶同意書も公開。「中居正広」という署名が本人の直筆であることを証明するために、かつてアイドル雑誌に掲載されていた中居直筆の文字を持ち出して比較検証までしていた。

 ところが、このスキャンダルはほとんど一般に知られることはなかった。テレビのワイドショーやスポーツ紙、雑誌に至るまで完全黙殺で、後追いで報じたのはわずかに東京スポーツ一紙のみだった。周知のように芸能マスコミにとってジャニーズスキャンダルはもともとタブー。それに加えて当時のSMAPは、まさに「国民的」といえる人気を維持しており、中居も97、98年と2年連続でNHK紅白歌合戦の司会を務めるなど絶好調だった。
 この記事が出た後、ジャニーズから「あの告白はすべてファンの妄想」という通達がなされたため、取材や利権配分から干される事をおそれた各メディアはそれをうのみにしてガセ記事として片付けてしまったのである。

 そこで、「噂の真相」は翌月、追撃をする。告白した女性は中絶した後、中居クンにその不実な対応をなじる電話をかけ、テープに録音していたのだが、その音声をそのままウェブで公開したのである。
 
 テープは「あまりにもなんか冷たいというか。もともといらない子供だったんだからそういうふうにやったってなんとも思わないのかもしれないけど」と迫る彼女に対して、中居クンが「一人の女性を傷つけた訳だし、おれも傷ついてるよ」と言い訳を繰り返すかなり生々しいものだが、その声や話し方はまさに中居クンのそれだった。

 だが、それでも大手芸能マスコミが動くことはなかった。しかも、ジャニーズ事務所は「噂の真相」に対して訴訟や抗議といったアクションを一切起こしてこなかった。マスコミを押さえた上で完全黙殺することで事態の沈静化に成功したのである。

 残念ながら、この状況は現在もほとんど変わっていないようだ。ジャニーズのスキャンダルを扱える大手メディアは「週刊文春」「週刊女性」「東京スポーツ」など、依然として数えるほどしか存在していない。とくにハードなネタを報道できるのは「週刊文春」一誌のみといっていいだろう。そう考えると、今回の森田のスキャンダルも、おそらくは中居クンの記事と同様、大手メディアでは完全黙殺されることになりそうだ。

 弱小事務所所属の塩谷瞬のようなタレントは些細なゴシップでも集中砲火を浴びて、芸能生命を断たれるくらいに追いつめられるのに、ジャニーズのタレントは女性を妊娠・中絶させてもなんの批判も受けない。しかも、この状況に多くのメディアがなんの疑問も持たず、不公平をさらにエスカレートさせている。芸能界というのはつくづく異様な場所だといわざるをえない。
(多部祥太)