宇宙博2014:NASAエリア後半は有人宇宙飛行史。アポロ計画の宇宙服実物などを展示

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幕張メッセで9月23日まで開催中の宇宙博2014より。米航空宇宙局NASAに関する展示物が並ぶNASAエリアの後半は、マーキュリー/アポロ計画で実際に使用された宇宙服や、マーキュリー号司令船実物大レプリカ、1960年代から現在までの機内食などの日用品が見られます。

今回はNASAエリアから宇宙空間の活動や生活を垣間見る「宇宙空間での活動(Endurance)」ゾーンをご紹介します。

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人間は宇宙で生活できるのか?過酷な環境から身を守る工夫が見られる「宇宙空間での活動(Endurance:耐久性、持久力)」ゾーン



NASAエリア前半のPioneersゾーンを抜けると、宇宙服が陳列されたケースが目に飛び込んできます。ここが「宇宙空間での活動(Endurance)」ゾーンのスタートです。

画面左手前ケースから、宇宙服の開発の歴史順にアメリカ空軍のヘルメット(K-1)、アメリカ空軍の高高度与圧服(MC-4シリーズ)、マーキュリー計画の宇宙服/ブーツ/手袋、ジェミニ計画の宇宙服(G4C)/ヘルメット/手袋、アポロ計画の宇宙服(A7L)/ヘルメット/手袋、アポロ計画の船内服。このうちジェミニ計画の宇宙服、アポロ計画の宇宙服、アポロ計画の船内服はそれぞれ訓練中に使用または予備として与えられていた実物です。

宇宙服は、地上とは全く異なる宇宙空間で宇宙飛行士の生命を守るために開発されました。適度な圧力を加えて血液の沸騰を防ぎ、放射線を遮断して酸素を供給。加えて、宇宙空間で生活して地球へ帰還する活動を支えるために動きやすさも問われます。

高機能な宇宙服の内部構造はとても複雑です。その構造が分かるよう、宇宙服現物のケース後ろにアポロ計画の宇宙服カットモデル(A7LB)とスペースシャトルの宇宙飛行士用冷却下着(LCG)が展示されています。

宇宙服カットモデル展示ケースのすぐ後ろには、宇宙飛行士の日用品と米ソの宇宙食が並んでいます。

一定期間宇宙空間で生活するには、食事を取り、身繕いをし、睡眠を取り、排泄をする日常行動が伴います。無重力空間で予期しない事態に備えながら活動する宇宙飛行士の健康を支えるために日用品にもさまざまな工夫が施されています。

展示の宇宙食からは技術力とお国柄が見て取れます。ソ連はチョウザメのトマトソース煮缶、肉入りボルシチ、定番のウォッカなどバラエティ豊富。米宇宙食はアポロ計画で使用されたコーヒー、マッシュポテトやスカイラブ計画で使用された牛肉のパテ、シリアル食品、グリーンピースのホワイトソース煮など質実剛健です。

宇宙飛行士の健康を維持するために不可欠な日用品は、スカイラブ、アポロ計画以降に携行されるようになりました。展示ケース向かって左上から時計回りに、アポロ計画のトイレ関連機器、スペースシャトル計画の宇宙飛行士用おむつ、スペースシャトル計画の宇宙飛行士用衛生セット、電気カミソリ、歯ブラシ、ハンドクリームが並びます。

アポロ計画におけるトイレといえば、月到着前に酸素タンクの爆発事故を起こしたアポロ13号の逸話があります。爆発後宇宙飛行士3名は地球への帰還軌道を逸れないよう、一時的にNASAから尿の船外投棄を制限されました。その指示を聞き誤って帰還するまでトイレ袋の使用を制限。加えて水を飲むのを控えたため、1名が尿路感染症にかかってしまいました。

船外活動に必要な生命維持装置やサバイバル・キット、宇宙服修理キットは宇宙食と生活用品展示ケースの後ろに置かれています。生命の危険もある船外活動や長期の宇宙空間に備えるために高い技術が常に要求されていたことが分かります。



宇宙技術が発達すると、次に米ソは月着陸を目標に計画を進めました。
1969年7月20日、アポロ11号船長ニール・アームストロングと月着陸船操縦士エドウィン・オルドリンが人類初の月面着陸と歩行に成功。当時使用されていた月着陸船の乗員室レプリカが展示エリア中央に置かれています。透明なアクリル板の向こうに見えるコクピットには計器が積まれ、飛行士2人が奮闘した姿を想像できます。

月面着陸を成功させたアポロ13号から約2年後、アポロ15号計画で初めて月面車(ルナビークル/LRV:Lunar Roving Vehicle)が使用されました。展示されている実物大レプリカは近くまで寄ることができ、地球から月へ運搬するために軽量化や色々な工夫が行われた形跡が見て取れます。LRVはアポロ15号〜17号まで3台が使用され、月面探査の範囲と精度の向上に貢献しました。

LRVの対面には、ソ連の月面車ルノホート2号(Lunokhod 2)の実物大レプリカが置かれています。ソ連は月面着陸ルナ計画の一環で、1970年11月10日にソノホート1号を、続いて1973年1月8日にソノホート2号をそれぞれ月面へ運搬。4ヶ月間にわたり多くの貴重なデータを地球へ送信しました。LRVと同様に稼働停止後から現在まで月面に残されています。

2台の月面車近くには、アポロ計画で使用された月面作業用の道具が陳列されています。ケース左手前から時計回りに、アポロ計画で使用された月の石の採集袋、アポロ計画で使用された月の石を保存するケース、アポロ15号で使用された月の石を入れるバッグ、アポロ計画で使用された月面作業用ブーツ、アポロ計画で使用された月面作業用手袋。また、ケース上にはアポロ11号月面着陸/歩行に関する報道を行ったLIFE誌、ニューヨークタイムズ誌のほか各国の新聞がならび、当時世界的に高い関心が寄せられていたことが分かります。

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