原専務理事「アギーレ氏は戦術の引き出しが多い」

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 日本サッカー協会の原博実専務理事がブラジルW杯でのザックジャパンの敗因を総括したうえで、新監督となるハビエル・アギーレ氏に期待を寄せた。

 原専務理事はまずグループリーグ1分2敗に終わった要因について、「いろいろな要素がある」としながらも、5月下旬の指宿合宿でのトレーニングでフィジカルの負荷が掛かりすぎていたことや、ベースキャンプ地イトゥーから試合会場への移動距離が長かったことを挙げた。

「イトゥの環境は良かったし、涼しい気候でリラックスできた」と、キャンプ地そのものについては問題がなかったことを強調した原専務理事だが、一方でキャンプ地から試合会場までチャーター機でも5時間前後の移動時間を要したこと、そして移動が試合前日だったことが選手のコンディショニングに影響を及ぼしたのではないかという見解を示した。

 たとえば、優勝したドイツはバイーア州サント・アンドレのベースキャンプ地から試合会場のある都市へ基本的に前々日に移動していたが、日本は前日午前の移動が基本。午後に試合会場のある都市に到着し、夕刻以降に試合会場で公式練習というパターンになっていた。原専務理事は「イトゥで過ごす時間を長くしたいという考えだったが、それはどうだったのか」と否定的な口調で反省。ただし、「ドローが決まる前にキャンプ地を決めないといけなかった」という事情についてもあらためて言及した。

 もう一つの“失策”だったと言えるのは、5月21日から行った指宿合宿だ。6月14日のコートジボワール戦からさかのぼること24日。5日間にわたる指宿合宿ではフィジカルトレーニング中心の2部練習が行われた。

 原専務理事は「大けがを負っていた選手が3人いたし、所属クラブで試合に出ていない選手もいた」と、コンディションの悪い選手をターゲットとする必要があったことを説明しつつ、「(欧州)クラブで試合に出ている選手もいたし、Jリーグ勢はACLもあってタイトなスケジュールだった。そういう選手はもう少し休ませた方が良かったのではないか。そういう選手には負荷が強すぎた」と指摘した。また、試合中のデータについても言及。「数値は悪くなかったが、実際に生で見て、良いコンディションではなかったと思う」との感想も述べた。

 戦い方そのものについては、「得意な形でやろうと思ってそれができないときに、悪いなりに踏ん張れるというバリエーションが必要だった」と分析した。そのうえでアギーレ氏については、「選手として1度、コーチとして1度、監督として2度、計4度のW杯経験がある。スペインリーグではオサスナやサラゴサ、エスパニョールでの経験があり、お金のないクラブで結果を残すなど、引き出しの多い監督」と説明。「非常にジェントルマンで気持ちが強く、日本人の良さを引き出してくれる。今の日本に一番ふさわしい。勝負強さを植え付けてほしい」と大いに期待を寄せていた。

(取材・文 矢内由美子)