写真:宇宙を漂う盆栽

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写真は、フラワーアーティストの東信(あずままこと)氏による「EXOBIOTANICA」プロジェクトで宇宙へと送られた盆栽。本来は地上に根を張って生きる植物が上空3万mへと送られ、地球の稜線へと「活け」られました。
 

  
盆栽といえば、かつてはお年寄りの趣味として若者からは敬遠されていました。しかし、ガーデニングなどが流行して以降、若い世代にも比較的手軽な小品盆栽やミニ盆栽などが静かに浸透しているそうです。

東信氏率いる AMKK(東信花樹研究所)は、米国のJP Aerospace の協力により、ネバダ州の砂漠から松の盆栽や数十種の花をあしらったフラワーアレンジメントを宇宙(の一歩手前)へと送り込みました。プロジェクトテーマは、「大地に根を張り、重力の配下で生きる、地球上の植物たち。根と、土と、重力と。その、生命の繋がりを断つことで、生まれる 美 とは何か。」

上昇していく植物は途中、激しい横風に煽られながらもしだいに宇宙へと近づきます。そして、成層圏の中ほどまで到達したところで、いくつかの写真を撮影します。このとき、気温は摂氏マイナス50度。漆黒の宇宙と青い地球の中間に位置する澄み切った世界で、樹齢50年の五葉松が丸い地球に根を降ろしたかのような光景や、フラワーアレンジメントから花々が飛び立って行くような神秘的な風景の数々が描き出されました。

撮影に協力した JP Aerospace は、これまでにも多数の物体を宇宙(の一歩手前)へと送り込んでいます。宇宙へ、といってもロケットを用いるわけではなく、ヘリウムガス入りのバルーンにカメラと被写体を吊り下げて飛ばす方式。成層圏に達したところでバルーンは破裂し、落下してきたカメラを回収します。

意外と原始的な方法ですが、撮影用カメラには GoPro を使うなど、厳しい環境でも耐えられる安価な機材が揃ってきたこともこうしたプロジェクトのコストダウンに寄与しています。

JP Aerospace は企業の宣伝などにもよく起用されており、過去にはサムスンが GALAXY S II を、東芝の英国法人はなぜか椅子を宇宙へ送ったりしています。