写真提供:マイナビニュース

写真拡大

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月24日、「第18回NASA極限環境ミッション運営(NASA Extreme Enviroment Mission Operations:NEEMO)訓練」に参加している星出彰彦宇宙飛行士の会見を実施した。今回、星出宇宙飛行士は、被訓練者のリーダーとなる「コマンダー」として参加。日本人宇宙飛行士が同役を務めるのは、2006年の若田宇宙飛行士に続き2回目のことだ。

NEEMO訓練は、海底研究室(アクエリアス)を利用した「宇宙でのミッションに類似する環境下」において、国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在や将来の有人宇宙探査に向けた「チーム行動能力向上訓練」の一環として実施するもの。閉鎖環境での異文化対応や自己管理、チームワーク、リーダーシップなどの能力向上を目的としており、同様の訓練には、NEEMOのほか、野外を利用した「野外リーダーシップ訓練(NOLS)」と洞窟を利用した「閉鎖環境適応訓練(CAVES)」がある。

NEEMO訓練では、「船外活動用ツールや宇宙服、作業方法の開発検証」や科学・医学分野を始めとした「閉鎖環境内での各種実験」「有人宇宙活動用に開発した機器類の検証」「広報普及活動」を実施。今回の訓練では、「ISS滞在や宇宙探査を想定し、船外でのハードウェア活用検証や、船内での科学実験を行っている。たとえば、現在使用しているハードウェアの改善点抽出や、小惑星での岩石採取のシュミレーションなどがある」(星出宇宙飛行士)という。

18回目となる今回の訓練は、7月21日〜29日の9日間実施され、ミッションコントロールは、アメリカ・フロリダ州のマイアミ南部から車で約1時間半ほどに位置する「Aquqrius Reef Base(ARB)」に設置。訓練会場となる海底研究室「アクエリアス」は、ARBからボートで約30分の沖合・深度20m・2.5気圧の位置に設けられている。

アクエリアスは、「常に安全を意識する極限状態」や「短時間で安易な脱出が困難な隔離環境」「機械への生命維持の依存」「分刻みの緻密なタイムスケジュール」「ミッション成功に向けた継続的プレッシャー」といった点で宇宙環境と類似した状況を実現している。

星出宇宙飛行士は会見において、「以前の宇宙飛行と比較すると、同じ隔離された環境であることからの安全面への配慮や、過密なスケジュールが似ているなと感じる。実は、初日に少しトラブルが発生したのだが、ちょっとした不具合が計画変更に大きく影響をする点も同じだなと思う」とした。

また、今回、日本人宇宙飛行士として2回目となるコマンダーとしての任務従事に関して、「チームの安全面を一番に気にかけて取り組んでいる。チームメイトは、宇宙飛行経験はないものの非常に優秀で、訓練に取り組む姿勢や支え合う精神を持ち合わせた人たち。私は、環境の整備やサポートをすることで、彼らやチームの力を引き出せるようなリーダーでありたいと思っており、そうなれるように取り組んでいる」と述べた。

会見の最後に報道陣から「将来また小惑星への有人宇宙探査が行われる際は、参加したいか」と聞かれた星出宇宙飛行士は、「未知なる場所への探究心・好奇心はある。また、こういったチャレンジングなプロジェクトに参加することに醍醐味を感じており、現役中に行われるのであれば参加したい」と想いを語った。

(原田綾子)