また、海外ではウィーン大学のソモザ博士が、がんを予防するコーヒー成分として、カフェインと併せて生豆に多く含まれるクロロゲン酸と焙煎豆に多いNMPが関与すると強調。三つの成分が相乗効果をあらわすと説明している。

 医療関係者の一人は「最近では、医者がなぜコーヒーを勧めないのか、疑問だとする論文すら出てきています」と言う。
 「2型糖尿病のリスクを下げる点については、カフェインが膵臓細胞を保護するだけでなく、クロロゲン酸が糖分の吸収を抑えて食後の血糖値を低く保ち、脂肪の燃焼を促進させるのです。コーヒーを8週間ほど飲み続けると、インスリンの働きを強め血糖値を安定させる働きのある、アディポネクチンの血中濃度が高くなるという報告もあります」(同)

 さらに、アルコールの飲み過ぎによる“二日酔い”の防止、抑制にも効果があるとされ、酒好きには有難い存在でもある。
 「二日酔いは、独特の頭痛で頭がガンガンすることがありますが、これはアルコールが肝臓で分解される途中でできるアセトアルデヒドが、脳の周りの細かな神経に作用し締め付けるためです。コーヒーに含まれるカフェインは、血管を拡張させる作用があり、脳の血液の循環を良くする一方で、肝臓や腎臓の働きを活発化させる。そのため、飲んだお酒を酸化させ、悪酔いを引き起こすアセドアルデヒドの分解を促し、利尿作用で体外に排出、二日酔いを改善するのです」(医療ライター)

 さらにこんな例もある。1日に3〜5杯のコーヒーを飲んでいる人は、飲まない人に比べると、将来アルツハイマー型認知症になるリスクが最大62%低下するというのだ。
 「認知能力の低下を防ぐ成分が何なのか、まだはっきりとわからないところがありますが、カフェインが短期的記憶力を向上させ、計算速度を速めたり作業時間を持続させることが判明しつつあります」

 このように、コーヒーは多くの病気を予防する効果があり、いいこと尽くめに見えるが、飲み過ぎは逆効果なので注意が必要だ。
 新潟大学病院の元管理栄養士で料理研究家・林康子氏がこんなアドバイスをする。
 「コーヒーは、お酒の二日酔いにも効果がありますし、ニンニクなどの臭い消しにも有効です。ただし、飲み過ぎは注意。朝食抜きの空腹時に飲むと、カフェインが脳の迷走神経を刺激して胃酸を分泌させ、胃が荒れてしまうのです。ブラックはダメ。カフェオレがお勧めですね。また、1日5杯以上飲むのは止めましょう。飲みすぎると胃に負担がかかり、逆に集中力がなくなることもあります。高血圧や脂質異常症をもたらしたり、膀胱がんの発症リスクを高めるという調査結果もあります。あとは、砂糖の入れ過ぎにも気をつけて。糖の甘味は習慣化されやすいため、糖分は、ここ一発というときに加える、と意識するのが賢明です。糖尿病の人はとくにですね」

 飲み方を間違えなければ、何気なく飲んでいたコーヒーが有難い存在に見えてくる。コーヒーブレイクも悪くはない!