妄想の達人G.G.佐藤さんの夫婦愛の物語がキモコワティーすぎにより夏の暑さが和らいだ件。
野球のある日に、野球じゃなく「プロ野球選手の妻たち」を放映!

「他人の不幸は蜜の味」なんて言いますが、プロ野球選手ドキュメンタリーは相変わらず僕の心にグッときます。23日にTBSがシーズン真っただ中の試合開催真っただ中の時間帯に放り込んできたのが、恒例の人気企画「プロ野球選手の妻たち」。栄光のプロ野球選手の妻(専業)という立場を手にした女性たちを中心に据え、そこからの転落であるとか栄枯盛衰的なものをねぶるように眺める番組です。

それはさながら地べたを這いずりながら、アリジゴクの巣に落ちたアリを見るような心境。「あぁ、僕も底辺だけどアリが今滑り落ちている」「ようこそ地ベタへ!」「ドラ1が女子アナと結婚して夫婦で地ベタに落ちて飲食店経営に失敗するパターンが珠玉」などと言いながら、ゲス・オブ・ゲスがキャッキャする世界観。僕は心の中で今夜の元ダルビッシュ紗栄子さんを想像し、「あぁ今頃バーニャカウダとかつまんでるんやろな」とか「次のアパレルデザイン案とか練ってるんやろな」とか考えるのです。そうすることで、ようやくうだつの上がらない自分の平静が保てるのです。まぁ一種の精神安定剤のようなものとお考えください。

今年の放送では、元楽天の森田丈武さんご夫妻の話などはキュンキュンくる感じでした。28歳という遅咲きの年齢でプロ入りし、1軍昇格を機にかねて交際中の奥さまと結婚を決意した丈武さん。しかし、成績は振るわずプロ野球・社会人野球を相次いで戦力外となり、野球選手を引退。その後は夫の実家に間借りしながら、妻が週6日のパチンコ店勤務で生計を支える生活。ハローワークに日参する夫の姿と、野球を辞める際に妻がもらした「夢を見させてくれてありがとう」という言葉のリフレイン。最終的にヤマト運輸の配送員として就職が決まり、そこにユーミンの「守ってあげたい」が流れてくるくだりなどは、これぞ「プロ妻」という万感のエンディングでした。

ただ、全般的には物足りない内容であったことは否めません。どれだけ今が苦しかろうが、どれだけ当時が苦しかろうが、松中信彦さんであるとか田口壮さんであるとかの話は「プロ妻」にはふさわしくありません。それは木のてっぺんから途中の枝に降りてきて休んでいるというだけの話で、その手にはたくさんの果実がすでに握られているのです。一生かけても食い尽くせない量の果実が。違う、違う、違う。それは「珍プレー好プレー」で言う「好プレー」のほう。苦しい話ばかりがつづくとドンヨリするので、言い訳程度に混ぜる箸休めのようなものです。

知らない選手でいいのです。知らない選手がいいのです。一瞬の栄光を一生噛み締めるような姿を、ゲス・オブ・ゲスは待っているのです。松中選手のマンション並みにデカイ自宅で、妻と子どもが「パパの部屋しかスカパー映らないね」などと言いながら、僕が今住んでいるアパート全体よりも広い「パパの部屋」に移動して夫の活躍を見守る場面など見たくない。何ですかコレは、アレですか、僕に「よし死のう」と決断を急がせるための映像ですか。

最近は、TBSお得意のスポーツ人生ドキュメンタリーにも陰りが見られます。「情熱大陸」の中身がスッカスカになってきていることは、もはや隠し切れない状態です。そして「プロ妻」もですか。今年で言えば、ソフトバンクからヤクルトへトレード放出される新垣渚さんに密着しながら、「え、新垣選手の奥さまは巨人の杉内選手の奥さまの実の妹さんなんですか?」と白々しく驚き、最終的に杉内の嫁の映像を撮りに行く…そういう企画に挑んでほしかったところ。「プロ妻」ファンが求める内容と制作物のギャップ、来年はキッチリと埋めていきたいものですね。

ということで、「プロ妻」なのに妻の話より印象的だったG.G.佐藤さんの納涼キモコワティーぶりについて、23日のTBS「壮絶人生ドキュメント プロ野球選手の妻たち」よりチェックしていきましょう。

◆結果イイ話になっているだけで、全編ホラーテイスト満載です!

「プロ妻」で「夫」のほうに注目するハメになろうとは。まさかの事態、主役となったのは千葉ロッテのG.G.佐藤さん。僕の職場のオジサンが「G.G.は北京五輪で壊れたよね」とずーっとカンチガイしているため、年に2回くらい「北京の年も活躍したし、2009年はキャリアハイです」と訂正していることでおなじみの、あのG.G.佐藤さんです。

当初、僕はG.G.さんの特集を早送りしていました。北京五輪の話も、戦力外の話も、イタリア行きの話も、さんざんねぶったあとですからね。それ以上の苦労話とかゲス向けのご褒美は出てこないだろう…そう思っていたのです。

しかし、G.G.さんは違った。妻との馴れ初めやら結婚生活などのエピソードは、これまで世間(※職場のオジサンなど)が抱いていた「G.G.佐藤=弱い」という認識を覆し、「G.G.佐藤=怖い」に変えていくものでした。思わず見ているコチラの背筋が伸び、キモコワティーと叫びたくなるようなエピソード群。2014年度の「プロ妻大賞」は妻じゃないですがG.G.さんに贈りたい…そんな出色の出来栄えでした。そう言えばコンビニには女性向けのホラー漫画誌とかがよく置いてありますが、「プロ妻」視聴層にもホラーがハマるということなのかもしれません。ちょうど、夏ですしね…。

↓一見爽やかで楽しそうなこの男性が本日の主役です!

※右の方は奥さまではありません。
※不定期でキモティーする相手でもありません。
※「G.G.佐藤とタメ!」のギャグで知られるタレントさんです。

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番組ではまずG.G.佐藤さんの人となりを紹介。まだ千葉ロッテで現役をつづけている選手ですが「元西武ライオンズ」という肩書でフワッと辞めてる感を偽装したり、「年俸1億円」と金で人間の価値を測るかのような字幕を入れたり、「キモティー!」「キモティー!」「今夜もキモティー!」のキモティー3連発を公共の電波で垂れ流すなど、「プロ妻」らしい煽りで愛の物語は幕を開けます。

北京五輪での落球事件であるとか、戦力外通告であるとか、そういった苦労の連続を乗り越えてきた愛の奇跡…制作側の意図としては、こんなところかと思います。実際、それはとても感動的な物語でした。しかし、僕はそこはかとない違和感を覚えます。「あれ、何か怖いよ」「怖い怖い」「怖い!」という違和感を…。

↓これが「本当は怖いG.G.佐藤」のキモコワティーポイントだ!
●キモコワティーその1:出会いは一目惚れ
夫婦の出会いは知人の結婚式。キャビンアテンダントとして活躍する奥さまにG.G.さんは一目惚れ。本人曰く「見た瞬間に運命の鐘が鳴ってしまった」。「西武ライオンズのG.G.佐藤です」と野球パワー全開で奥さまに猛アタックを開始し、「一目惚れしちゃいました」「好きになっちゃいました」と繰り返しアタックすると、最終的に連絡先を押し付ける。

●キモコワティーその2:メール爆撃からのプロポーズ大作戦
その後、電話&メールでの絨毯爆撃を開始したG.G.さん。「こんにちは!この間は、真由子さんに会えてラッキーでした。今度はふたりで食事に行きたいです!」などのドストレートな口説きでアピール。根負けした奥さまがデートに応じると「僕たち結婚しようか」と一方的に結婚宣言。初デートでいきなりプロポーズしてくる姿勢に、奥さまは「いきなり何言ってるの」と冷静に戦慄。

●キモコワティーその3:何らかの指輪を押し付ける
共通の知人のホームパーティーで会った際、G.G.さんは奥さまに指輪をプレゼント。本人的には結婚指輪のつもりらしいが、結婚も婚約もしていない、ていうか付き合ってるという意識もない段階での指輪プレゼントに奥さまは困惑。「これ何指輪?」とは奥さまの弁。

●キモコワティーその4:ホームラン打つから僕と結婚してよ
別の日、奥さまを呼び出したG.G.さんは「僕の今年の目標はホームラン15本」「達成したら結婚してください」と自分本位の条件を突き付ける。しかし奥さまは、はぐらかすつもりがついウッカリ「その倍の30本打ったら結婚してあげる」と応じてしまい、G.G.さんを奮起させる結果に。昔話でよくある、利益をもたらす魔物の甘言にほだされてウッカリ娘を魔物の嫁にあげてしまうみたいな話が、現代で現実になった瞬間。

●キモコワティーその5:恐るべき情念
G.G.さんはその時点でキャリア通算のホームラン数が「9本」。本人的には「30本とか何言っちゃってるの?」「そんなん打ったらエライこっちゃだよ」という想いはあったものの、嫁欲しさで条件をのむ流れに。すると嫁欲しさの一念が打撃を開眼させ、開幕カードからいきなりホームラン連発。4番に抜擢され、ホームランを連発するように。

●キモコワティーその6:愛の波動砲G.G.佐藤
上記のような流れを踏まえての、G.G.さんのヒーローインタビュー。ウィキペディアには「ファンを愛し、ファンに愛されたい」という想いで「愛の波動砲G.G.佐藤」を名乗ったとされているものの、真相は全然違うのではなかろうか。生臭い情念の波動、感じます。



●キモコワティーその7:死にたい
北京五輪での悪夢の落球劇。メダルを逃した日本代表にあって、G.G.さんは誰よりも責任を感じていました。とは言え、それは野球で勝ったとか負けたとかの話。日本に帰ればチームでの戦いもあるわけで、切り替えていくことが大事なはず。しかし、G.G.さんが奥さまに送ったメールは4文字でズバリ「死にたい」。物騒なメールに奥さまは大慌てで代表の宿舎に駆けつけ、G.G.さんを保護。ただのエラーが、リアルに怖い話に。

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その後、G.G.さんは戦略外通告やらイタリア行きやらを経験し、2013年から千葉ロッテで日本球界に復帰。新たな子宝にも恵まれ、家族で幸せをつかんでいるそうです。最終的にみなさん幸せとのことなので、問題はないかと思います。思いますが、僕はすっかりキモコワティーで肌寒くなってしまいました。

僕がまったく同じように行動した場合、迷惑条例的なヤツは僕を許してくれるのでしょうか。突然連絡先を押し付け、結婚を宣言し、謎の指輪を渡し、キモティーと叫び、何かあると「死にたい」メールを送信する。僕も、いっそそのぐらい自分を出していったほうがいいのでしょうか。阿佐ヶ谷駅でウチの妹の愛(※現姓:福原)を待っていたときのように。いっそ、そのほうが幸せに接近できるのかもしれませんね。ちょっと真剣に考えてみようと思います。ほら、今、これを読んでいる貴女の背後で、僕がキモコワティーしているかもしれませんよ…。

↓ちなみに、G.G.さんの最新著書はこんな感じになっております!

書名:「妄想のすすめ」
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アカンwwwwwwwwwww

妄想で現実を上書きしていくタイプの人やwwwww

すごい妄想力が強いのはわかりましたので、「いい妄想」だけをお願いします!

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真夏の夜の蒸し暑さ、キモコワティーで吹き飛ばすことができそうです!