他人の関係 feat.SOIL&''PIMP''SESSIONS
Yo Hitoto
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「こんな特集(昼顔妻のこと)して主婦を煽って、責任とれるんですか」
 劇中、こんな台詞が出てきます。まったくほんとですよねえ。

フジテレビで先週、7月17日(木)22時からはじまった「昼顔〜平日午後3時の恋人たち」(脚本・井上由美子)は、上戸彩吉瀬美智子が演じるふたりの主婦を中心に、夫でない男性との恋を描くドラマです。

第一回めは、吉瀬美智子演じるセレブ妻が、若い男と恋愛しているところを目撃してしまった上戸彩演じる平凡な主婦が、セレブ妻の火遊びに巻き込まれていくところが描かれました。

そこで、第一回目で感じた、責任とれるのかポイントをあげてみます。

その1.ちょっとリアルで、責任とれるの?

もともとは、昨年、同局の情報番組「ノンストップ!」で扱った「平日昼顔妻」(女性誌で特集された、妻が、夫のいない平日昼間に不倫する現象)という存在から想を得た作品で、ただの作り話とも言えない、ちょっとリアルなところもあるらしいですよ、どーしますか、奥さん!

その2.タイトルに含蓄があるけど、責任とれるの?

ドラマのタイトルになっている花・ヒルガオは、種ができにくく、増えるのはもっぱら根っこからなのだそうです。まさに、不倫関係の象徴って感じですわね、奥さん!

その3.ピュアなイメージのあった上戸彩を汚れにして、責任とれるの?

上戸彩演じる主婦は、夫(鈴木浩介)との間に子供ができず、姑(高畑淳子)からのプレッシャーに煩わされているという設定。余談ですが、この嫁姑関係はやや「ふがいない僕は空を見た」っぽい気がします。
子供はできないけど一応仲良しと思っているし、それに、夫は寝る前にハンドクリームを塗るなどスキンケアに余念がなく、草食系にも見えるのに、実は会社では、若い社員(木南晴夏)となんだかいい感じに?

そうとは知らない上戸彩演じる主婦は、吉瀬美智子演じる不倫妻に批判的な視線を向けます。が、彼女もまた、斎藤工演じる美形だけどちょっと変人ふうな高校の理科教師に接近していきます。

後半、一度、教師の元から離れたあと、全速力で自転車をこいで戻ってくるシーンでは、ブルータス(上戸彩)おまえもか! 早くも一話からよろめいちゃうのか、と思わされたものですが、生真面目な話題だったところがにくいです。といっても、ゆくゆく不倫しちゃうのは明白なのでしょうけれど。

その4.登場人物に問題盛りまくりで、責任とれるの?

さらに、この理科教師にも、単なる真面目じゃない、なんかありそうな気配を漂わせて、いろいろ盛りまくりなんです、このドラマ。
登場人物が全員、問題というか、ちょっと歪んだ欠落みたいなものを抱えています。

前述した、上戸彩と鈴木浩介演じる、プラトニック夫婦のほか、吉瀬演じるセレブ妻は、子供もいて、家ではものすごくよくできた美人妻でいる一方で、複数の男たちと恋愛を、ルールを作って楽しんでいます。
一話では、ルールを守れないひとりの男をさっさと捨てて、新たに、北村一輝演じるイラストレーター(芸術家としては評価されず、商業作家の見に甘んじている)に、自分の本来の姿を描いてもらって、キュンとなります。

その5.北村一輝、斎藤工が色っぽすぎて、責任とれるの?

北村一輝のけだるい色っぽさがたまんないです。
雑誌の昼顔妻特集のイラストは、「からまないほうがエロスがあります」と言い張るも、ベタなからみのイラストを発注されてしまう切なさも、応援したくなります。
他所のトイレからトイレットペーパーをもって帰ってしまうせこさもたまりません。45歳設定なのに。

そして、斎藤工。
綺麗な顔なのに、飾らない感じ。虫のことしか頭にないような不器用さが、母性本能をくすぐりまする。

北村一輝、斎藤工、2大愛人顔俳優がそろったことで、このドラマ、期待できそうな気がするのですよ、奥さん!

ちょっと惜しいのは、アート派愛人と知性派愛人ふたりがご用意されてはいますが、肉体派要員がいなくていいのですか? ということです。
肉体派・伊藤英明(セレブ妻と出会い系で知り合う)が、1回だけのゲストで終わってしまっていいものでしょうか。そこのところがちょっぴり不満かもしれません。

その6.上戸彩が色っぽすぎて、責任とれるの?

代わりに、上戸彩の肉体ががんばっています。
冒頭、夜、ベランダから対岸の火事(ほんとの火事ですが、たぶん、不倫を対岸の火事と思って見ていたら・・・の隠喩ですな)をながめながら、アイスバーを食べる口元が色っぽく(これも、ひじょうにわかりやすいやらしさの表現)、昼間、自転車を漕ぐときの胸のたわみも、過去最大の重量感です(私個人調べ)。
これ、女性層ねらいのドラマだと思うのに、上戸彩がムダな色気を振りまいているのですよ。にも関わらず、姑は「色気ない」と注意するんですよ、姑さんってほんとにわかってないですね。

その7.画面がきれいすぎて、責任とれるの?

上戸彩演じる主婦がパート先のスーパーで口紅を万引きしたり、セレブ妻にふられた男と話しているところを姑に見られ誤解されたり、エピソードがベタです。でも、それがなんとなくスルーできてしまうほど、画面が上品なのです。街の風景が美しく、人物の動きを流れるようなカメラですーっと追っていくところも、気持ちよいのです。
カトリーヌ・ドヌーヴ主演の「昼顔」(第28回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞作)にもインスパイアされているとこのことなので、ヨーロッパの格調高くインモラルを扱った作品を目指すのでしょうか。まさに、「こんな特集(ドラマを制作)して主婦を煽って、責任とれるんですか」ですよね。

その8.一青窈の「他人の関係」で心が着火、責任とって!

パッパパラッパ♪ パッパパラッパ♪ というあの音楽にのって歌われる昭和歌謡のリメイクバージョンが、心に火をつけます。
ムーディーでゴージャスな感じは「最高の離婚」のエンディング的なノリですね。映像が上品な分、主題歌で下世話感煽っています。昭和派は、思わず、あの振り付けをしたくなります。

それでは今晩も、対岸の火事見物気分で、見てみましょう。(木俣冬)