地域に埋もれ、高齢化していく引きこもり当事者や家族に、社会はどう向き合えばいいのか。

『40代からの自立―地域の中で孤立しないために』という講演会が、7月13日、東京都町田市内にある玉川学園という住宅街の施設で行われた。

 主催したのは、同市で「街角相談室」などの事業を展開している玉川学園地区社会福祉協議会。地域から見える高齢化の課題とあって、会場は満席に近く、住民の関心も高いようだ。

 中でも興味深いと思ったのは、同市にある高齢者支援センター長で、社会福祉士、精神保健福祉士でもある一番ヶ瀬伸子氏による事例報告だった。

高齢化する保護者と40代以上の当事者
生活困難で家族はバラバラに

 同センターは、市の介護福祉として、実践的に地域の中に入っていくのが主な仕事だ。その中で、引きこもり期間が長期化することで対象者は高年齢化していて、40〜50代の人たちに会う機会も多いという。

「世帯主が高齢化して、生活困難に陥るという問題に関わっていると、一緒に住んでいる家族(世帯主の息子など)の中に、引きこもり当事者が非常に多いんです」(一番ケ瀬氏)

 以前、当連載で紹介したように(第159回参照)、実際、2013年3月、町田市保健所が行った「ひきこもり実態調査」のデータを見ても、40代以上の当事者は、全体の3割以上を占めていた。

 また、ここ最近、家族の力が弱くなり、ますます社会の力が必要になってきているという話を、前回紹介した。

 高齢者支援センターは、高齢者の尊厳が守られて、最後まで自分らしく暮らし続けることができる地域を目指す「地域包括ケアシステム」の構築が本来の仕事。生活に関わる相談なら何でも受ける“ワンストップサービス”の役割を担っているほか、介護予防、認知症予防などの事業も行う。

 また、虐待されている高齢者の自宅にも入っていって、対策を立てる。

 増え続ける認知症に対し、ひとり暮らし高齢者の自宅を訪ねて、青年後見人制度の紹介も行う。

 そんな中に、認知症になった家族を支えきれなくなった40〜50歳の引きこもり当事者が数多くいるという。

 しかも、保護者の高齢化が進んで、家族内でもコミュニケーションが取れずに、それぞれ孤立している。

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