ブラジル代表の新指揮官にドゥンガ氏が就任した。22日に正式発表されている。

かつてピサ、フィオレンティーナ、ペスカーラでプレーした同監督は、2010年の南アフリカ・ワールドカップ(W杯)まで4年にわたってすでにブラジル代表を指揮し、2007年にコパ・アメリカ、2009年にコンフェデレーションズカップを制している。南アフリカW杯南米予選はトップで通過した。2008年には北京オリンピックで銅メダルを獲得している。

1994年アメリカW杯でブラジルが優勝した際のキャプテンだったドゥンガ氏が、セレソンに戻ってきた。任務は、地元開催のW杯で落胆したチームの再建だ。ブラジルの100年の歴史において最もつらい敗戦となったドイツ代表との準決勝(1−7)から、ちょうど2週間が経ったところだ。ドゥンガ監督は次のように話している。

「W杯のすべてが間違っていたわけじゃない。W杯は、才能だけではなく、ピッチでの仕事がいかに重要かを証明したんだ」

「私は(アッリーゴ・)サッキ、(アーセン・)ヴェンゲル、(ルート・)フリットらとの経験が、私の成長の上で大きかった。初めての代表では、チームの価値を取り戻す必要があったね。そして結果も出さなければいけなかった。今やらなければいけないのは、2018年のロシアW杯に向けてセレソンを準備していくことだ」

「我々はブラジルの特長に沿ったプレーをしようとしなければいけない。10〜15年後ではなく、すぐにうまくやれる選手たちを招集する。若手を使うことはできるが、若いというだけでピッチに立たせることはない。力がなければいけないんだ」

「ブラジルのサポーターは傷ついている。だが、彼らは代表への情熱を持ち続けているんだ。しかし、傷をいやすことができるのは、結果だけなんだよ。夢を売るようなことはしたくない。サッカーとは予想ができないものだ。自分たちがベストだと考えることはできない。我々はすでにベストだった。世界最高というポストを取り戻さなければいけないんだ。だが、一朝一夕でできることじゃない。謙虚になることが必要なんだよ」

「W杯に出場することだって、決して簡単ではないだろう。どの相手もブラジルとの試合では全力でプレーしてくるんだ。ブラジルを倒したんだと言えるようにね。我々は、戦う前からW杯に優勝すると考えるような罠に陥ってはいけない。試合での90分こそが現実なんだ」

アンケートでは、ブラジルサポーターの75%から80%がドゥンガ監督の復任に反対している。

「それは尊重する。だが、多くの人が私を支えてくれているよ。私をよしとしてくれる15〜20%の人たちから力とエネルギーをもらい、残りの80%の信頼をつかまなければいけない。それは、結果を出すことでしかできないことだ」