勝ち越しゴール献上直後に小林同点弾、U-17日本代表はメキシコと引き分け2位に

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[7.21 国際ユースサッカーin新潟第3節 U-17日本代表 2-2 U-17メキシコ代表 新潟市陸上競技場]

 U-17世代の国際大会、「国際ユースサッカーin新潟」は21日、最終節を行い、U-17日本代表はU-17メキシコ代表と2-2で引き分け。「東京五輪世代」として注目を集めたU-17日本代表は1勝1分1敗、メキシコを得失点差で上回り、2位で全日程を終えた。

 前日20日のU-17新潟選抜戦を2-3で落としたU-17日本代表にとってはプライドにかけて負けられないメキシコ戦。その日本はFW加藤陸次樹の3戦連発となるゴールで先制したが、後半に逆転を許した。前日に続いてリードされる展開。新潟選抜戦はここでリズムに乗り切ることができなかったが、この日は2点目を失った2分後にFW小林颯が同点ゴールを決める。その後勝ち越すことはできなかったものの、内山篤監督は「ちょっと良かったのは、行ったり来たりしそうになったところで最後(攻撃に)厚みを持たせたことですね。どうしても行ったり来たりする中でバランスを崩すとあっちの方が上ですから。そういうことも少し覚えてくれたらいい。結果として追いついたことは評価できると思う」と前日から一歩前進した選手たちに目を細めた。MF鈴木徳真は「点を取り切って同点になったところでチャンスはあったので、決めて勝ち切ることができればもっと良かったと思います」。決して満足することはないが、強豪相手に追いついて引き分けたことを前向きに捉えていた。

 日本は過去2試合に続いて今大会最終戦も4-4-2システムで臨んだ。GKは松本健太、4バックは右から村松航太、冨安健洋、町田浩樹、浦田樹の並び。中盤は鈴木と斧澤隼輝のダブルボランチ、右MFが高木彰人、左MFが井上潮音、2トップが加藤、小林という組み合わせで試合をスタートした。日本はボールを正確に出し入れしながらも、積極的に前へ持ち出そうとする鈴木中心に前日よりも縦への意識が見られる攻撃。ただ相手にもなかなか隙は生まれず、15分に右クロスから冨安が放った左足シュートは相手GKの好守に阻まれた。

 それでも繋いで攻め続ける日本は19分、右MF高木が外側を追い越してオーバーラップした村松へパスを通すと、村松が右足で高精度クロス。これを加藤が頭で合わせて先制した。リードを奪った日本は38分に敵陣で相手のミスパスを奪った鈴木のラストパスから高木が決定的な右足シュート。ポゼッションや小林らの仕掛け、そしてサイドのスペースへ小林や加藤が飛び出すなど多彩な攻めからゴールを狙う日本はアディショナルタイム突入後の46分にもPAでDFのタックルをかわした井上が切り返しから右足を振りぬく。直後にも右CKを町田が頭で合わせるなど優位に試合を進めていった。

 日本は後半開始から冨安に代えて右SBに伊藤克尚、ボランチの斧澤を大西遼太郎に代えた。右SB村松をCBへ移した日本だが後半6分、自陣で2対1の状況をつくりながら突破をファウルでしか止められず、PKを与えてしまう。これをFWフェルナンド・オンティベーロスに左足で決められると、18分にも右サイドから切れ込んできたオンティベーロスに左足で決められて逆転されてしまった。

 それでも直後の19分に井上に代わって投入されたMF長沼洋一と小林とのコンビがゴールをもたらす。20分、日本は長沼が左サイドを縦に突破すると、その折り返しを小林が左足ダイレクトでゴール右隅へ沈めて同点に追いついた。再び勝ち越しを目指して前がかりになって攻めてくるメキシコに対し、日本も23分にワンツーから大西が右足シュートを放ち、29分には右サイドからPAへ出された絶妙なパスに長沼が反応。だがシュートはGKに阻まれてしまう。

 指揮官が評価したのは、まず失点直後に同点に追いついたこと。そしてMFヘスス・ベラ中心に次々と仕掛けてきたメキシコのペースに乗らず、ここで落ち着いて試合をコントロールしたことだ。ミスも見られたが、リスクを消しながらボールを確実に繋いで背後を取る日本は34分に右オープンスペースへ飛び出した加藤とクロスするかのようにゴール前へ飛び込んだ高木が決定機を迎え、35分には右サイドの高木からのラストパスを長沼が右足で撃ちぬく。

 その後42分にFW伊藤涼太郎を投入したが、勝ち越すことはできなかった。試合を決めるチャンスはつくりながらも決めきることができなかったこと、また3試合で7失点という守備面の課題は残ったが、鈴木が「前へボールを運ぶ時の運び方だったり、連動性のところは良かったと思っています。いい結果ではないですけど、いい収穫もあった」と語ったように前向きな部分も多かった。U-17日本代表は次回は8月にチェコ遠征が予定されている。「東京五輪世代」として注目されるU-17日本代表は、内山監督が「目の前のものがあって先がある。必要以上にそこ(五輪)だけ見てプレッシャーだけ感じてもいけない」と語ったように、先だけを見ることなく一つひとつ積み重ねていく。

[写真]後半20分、U-17日本代表は小林(8番)が同点ゴール

(取材・文 吉田太郎)