電子マネーの利用件数が急増している。「ナナコ」「楽天Edy」「ワオン」「スイカ」「パスモ」「イコカ」の主要6種類のプリペイド式電子マネーの合計利用件数は、今年3月以降、前年同月と比較して約2割から3割増加しているという(日本経済新聞調べ)。特に利用件数が伸びているのが、スイカだ。3月、4月と連続して前年比5割以上となった後、5月も約4割増えた。消費増税によって、山手線内の電子マネーで支払う一部区間のIC運賃のほうが、切符の運賃よりも安くなったことが大きく影響したようだ。これまでスイカを利用していなかった層が、新規ユーザーになったとみられる。

 消費増税は、ほかの電子マネーにとっても追い風となっている。例えば、電子マネーの中で最も利用件数が多いナナコは、5月は約2割増だったが、4月は約5割増加していた。増税で消費税が8%になったことで、会計で小銭を使うケースが多くなり、それを面倒に感じるシニア層が、やはり新規ユーザーとなっている模様。こうした状況を受け、電子マネーを運営する各社は、さまざまなキャンペーンを仕掛けている。目下の好環境で、一気に勢力を拡大しようという思惑を垣間見ることができる。

 中でも積極的なのが、ナナコ。セブン-イレブンで、ナナコで買い物をすると、通常100円で1ナナコポイント(=1円相当)が付与されるところ、ポイント付与率が2倍となるキャンペーンを行っている。さらに、ソフトドリンクの購入についてはポイント付与率が5倍になる。いずれも8月31日まで実施予定だ。

 スイカはスイカポイントが貯まる店舗で、7月中の金曜日に買い物をすると通常の10倍のポイントが貯まる。スイカポイントが貯まる主な店舗は、駅ナカだとキオスクやニューデイズ、エキュートなど、街ナカではスリーエフやイトーヨーカドーなどが該当する。ポイントの付与率は、基本的には100円につき1ポイント(=1円相当)だが、店舗やサービスによって200円に付き1ポイントとなることもあるので要注意。

 楽天Edyは、7月1日までだった楽天スーパーポイントとの相互交換を、7月1日以降は、楽天スーパーポイント→楽天Edyへの交換に限定して継続。交換レートは1ポイント→1円で変わらない。また、新規に「楽天ポイントクラブEdyカード」を購入した人を対象に、楽天Edyの利用で楽天スーパーポイントが貯まる設定をし、Edyカードにチャージすると合計で400ポイントをプレゼントする。8月1日までに専用サイトからカードを購入し、8月20日までに設定とチャージをすることが条件だ。

 ワオンは、7月11日〜15日の短期間で、イオン、マックスバリュ、まいばすけっと、イオンモールほかでの利用でポイント5倍を実施したのに続き、利用金額に応じて旅行やワオンポイントを抽選でプレゼントしたり、スマホアプリの登録やチャージなどでポイントをプレゼントするキャンペーンを行っている。期間はいずれも7月31日まで。

夏こそ、電子マネーを貯める絶好機

■チャージするなら“ポイント二重取り”

 現在、電子マネーの利用件数は日を追うごとに、過去最高を更新している状態。各社のキャンペーンの実施状況を見ても、短期間だったり、いきなり実施されるケースが散見される。見逃さないように日ごろからチェックしておきたい。

 また、電子マネーをチャージする際には、ぜひチャージポイントが付くクレジットカードを使ってほしい。電子マネーを使うことによるポイントに、チャージポイントを上乗せする“ポイント二重取り”である。これをやるかやらないかで、ポイントの貯まり方が断然変わってくるからだ。

 チャージポイントが付くクレジットカードは、各電子マネーにおいて減少傾向にあるが、まだまだ存在している。もしチャージポイントが付かないカードを使っているのであれば、この機会に見直してもいいだろう。電子マネーやクレジットカードのサイトでは、チャージポイントの有無は分かりにくいので、不明な場合は直接コールセンターに問い合わせて欲しい。手間をかけただけの、“お得”はあるはずだ。

文/松岡賢治

マネーライター、ファイナンシャルプランナー/シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て、96年に独立。最新刊に『人生を楽しむマネー術』(共編著)。