大砂嵐のかち上げで流血しながらも「三沢のローリングエルボーほどではない」と言い放つ稀勢の里の余裕の巻。
先に1100字ほど説教をします!

僕は「自分さえ勝てばいい」という姿勢には感心しません。世の中には確かに勝者と敗者がいますが、勝者は多くの敗者に支えられて頂点に立つのであり、自分ひとりのチカラでそこにいるのではありません。参加者ひとりのゲーム大会で1位になっても何の喜びもないように、たくさんの人が参加しているからこそ勝利の価値も高まるのです。相手あってのモノダネなのです。

しかるに大砂嵐。大相撲名古屋場所の三日目、大砂嵐は稀勢の里との取組に臨みました。大砂嵐にとってこれが初の大関戦でもあり、どうにかして勝ってやろうと気迫を漲らせていたのでしょう。大砂嵐は立ち合いで強烈にかち上げ、稀勢の里に大量の鼻血を流させたのです。

まず、このかち上げには技術的な面で問題があります。かち上げとはショルダータックルでもエルボー・バットでもありません。打撃技ではないのです。突き押しの一種ではありますが、かち上げるの語感が示すように、相手の上体を起こすことを多分に意図したもの。胸から肩に当てて相手の態勢を崩してこそ意味がある。

それを鼻っ柱に叩き込むとは何たることですか。小橋建太の逆水平チョップと同じ場所を狙ってドーンと当てていかないといけません。無理に顔面を叩きにいけば、そのぶんワキが甘くなり、相手に差し手を許すという意味でも技術的に不適切。自分自身も腰が伸びてしまい、チカラが入らなくなってしまいます。

また、朝青龍などもそうでしたが、顔に叩き込むエルボーとして活用するのは単純に危険です。ヘビー級ボクサー以上の体重の力士が、前に向かってくる相手にカウンター気味にエルボーを叩き込む。これがいかに危険な行為であるかは、考えるまでもないでしょう。

今後の上位との対戦にあたって意識したいことですが、相撲で一番よくないのは「怪我」です。怪我をすれば相撲が取れません。お客はその力士を見られません。力士が相撲を取るところを見せるのが大相撲の「商品」であり、それを無駄に傷つけかねない行為は「背任」に相当するものです。例えば横綱が怪我をしたら、それだけで場所の魅力は半減します。客は横綱・大関を見に来ているのであり、前頭以下はついでに見ているのです。パンダやゾウを見るついでに、コウモリとかヒツジを見ているのです。

上位に上がれば、どうせ毎場所同じメンツと当たるのです。いつまでも奇襲など通用しやしません。基本に則り、王道の取り口で勝ち負けできなければ、結局は仕事にならないのです。上位陣と一周対戦するまでソレが通用するかどうか試すつもりかもしれませんが、左を差されて寄り切られるのがオチですので、商品に怪我をさせる前に取り口を改めてもらいたいものであります。

ということで苦言は終わりとし、カチンときた気持ちを土俵とコメントにぶつけた稀勢の里のユーモア精神について、15日のNHK中継による「大相撲名古屋場所」からチェックしていきましょう。

◆いいコメントを出すじゃないか!ハーハー言うだけが力士じゃない!

まずは実際の取組から。立ち合い、大砂嵐が強烈なかち上げを放つと腕の固いところで稀勢の里の鼻をガツン。しかし、稀勢の里はそれをこらえると左を差して得意の型に持ち込みます。大砂嵐は強引に右の小手投げにいきますが、無理な投げで稀勢の里の攻めを呼び込む結果となり、寄り倒されてジ・エンド。大関が大関の強さを見せつけました。

↓取組後、稀勢の里のお腹には2本の鼻血の筋が!


キレイに鼻血出てるな!

一種の芸として見事である!

↓大砂嵐のかち上げはこれまでも多くの力士をガツンとやってきた!


頭も危ないが、倒れるときにヒザも危ない!

遠藤が怪我したら、そのぶんチケットを売ってもらうぞ!

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とかく力士はハーハー言ってるイメージが強いものですが、壇蜜さんが意外にハァハァ言ってはいないように、力士もハーハーしているだけはいけません。その点、この日の稀勢の里は取組だけでなく取組後まで含めて素晴らしかった。取組後のNHKの取材には「(かち上げは)いいとこ入りましたね」という返しで大関の余裕を見せると、「大丈夫?」という各記者からの問い掛けに、次々とナイスコメントを返してみせたのです。

↓鼻が折れたんじゃないかと心配する記者に、折れてない旨をかるーくアピールする稀勢の里!
<稀勢の里、珍しく軽口=大相撲名古屋場所3日目>

パワーを生かした荒々しい相撲で番付を上がってきた相手を「あれが彼の相撲だからね。なかなか面白いんじゃない」と振り返った。

立ち合いでは強烈なかち上げを顔面に受けた。報道陣に鼻が折れていないかと心配されると「(高い)鼻なんかないよ。日本人だからね」と珍しく軽口を飛ばした。

http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2014071500899

稀勢の里:「あれが彼の相撲だからね」
稀勢の里:「なかなか面白いんじゃない」
稀勢の里:「鼻なんかないよ。日本人だからね」

何だこの無駄な余裕wwwww

綱取り場所に緊張して唇もーにょもーにょしてる男じゃないwww

↓したたり落ちる鼻血を気にする記者に対して、効いてない旨をかるーくアピールする稀勢の里!
<稀勢の里 大砂嵐のかち上げで鼻が・・・>

取組後はひたすら鼻を気にし、血もしたたり落ちた。それでも、序盤での連敗を避けて「いいタイミングで、ドンピシャではまっただけ。(プロレスラーだった)三沢光晴さんのローリングエルボーに比べたら、たいしたことないよ」と涼しい顔で、会場を後にした。

http://www.nikkansports.com/sports/sumo/news/f-sp-tp3-20140715-1335090.html

稀勢の里:「いいタイミングではまっただけ」
稀勢の里:「三沢光晴さんのローリングエルボーに比べたら」
稀勢の里:「大したことないよ」

大砂嵐はローリングしてないけどなwwwww

三沢の通常のエルボーと比較しようやwwwww

「本気の三沢よりは下」という、そこそこのポジションに来てる感じになったぞwww

ぼく、いたくない

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「稀勢の里は三沢のローリングエルボーを受けたことがあるのか?」という、そこはかとない疑問。そして、「あるわけねーだろ」という確信。しかし、ただハーハー言うのではなく少しコメントにひねりを効かせたことで、稀勢の里の強さも、大砂嵐のかち上げの強烈さも、グッと魅力的に伝わる感じになりました。

大砂嵐にも三沢光晴というエルボーの名手を知ってもらい、今後は回転した勢いで放つ「ローリングかち上げ」、走り込んで放つ「ランニングかち上げ」、左右から繰り出す「ワンツーかち上げ」、相手の首を固定して速射砲のように繰り出す「マシンガンかち上げ」、土俵下に落ちた相手に自らもジャンプして飛び込む「かち上げスイシーダ」など多彩なかち上げを身につけてもらいたいもの。かち上げの繰り出し方の変化だけで60分フルタイムドローを演じられるようになってこそ超一流の見世物です。

そこまでいけば、派手な音はするけど痛くないパターンとか、逆にすごく効くパターンとか、かち上げにも幅が出てくるでしょう。相手が浮き上がるくらいのかち上げで、勝ち名乗りを受けたときに「オー!」と雄叫びを上げるところまで行ったら、「砂嵐!オー!」「砂嵐!オー!」「砂嵐!オー!」とお客も俄然盛り上がるんじゃないでしょうか。そのときは四股名も「ジャンボ砂嵐」に変更ですね。

↓三沢光晴のエルボーはこんな感じです!大砂嵐のかち上げなど、まだまだ!(25分頃から)


かち上げ!

バックハンドかち上げ!

ワン・ツーかち上げ!

ローリングかち上げ!

ランニングかち上げ!

決めろ!ファイナル・かち上げ・コンビネーション!

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稀勢の里はコレぐらい強烈なヤツを受ける準備があるぞ!出でよ挑戦者!