2008年の北京五輪女子ソフトボールで日本代表に金メダルをもたらした最大の功労者・上野由岐子は、今月22日で32歳になる今もいまだ日本のエースとして活躍している。

だが、2012年のロンドン五輪からソフトボールが五輪競技から外れたことで彼女のモチベーションは大きく低下し、一時は引退を考えたこともあったという。14日放送、TBS「NEWS23」では「世界No.1投手・上野由岐子 引退を踏みとどまらせたひと言」と題し、現在は2020年東京五輪でのソフトボール競技復活を信じ、現役を続ける上野の心境を伝えた。

インタビューの冒頭、聞き手を務めた高橋尚子さんに対し、「“もう次何を目指してやればいいの?”みたいな。何のためにソフトボールをしているかというところからの葛藤だったんです。一生懸命やってる人が日の丸をつけるべきだってそのときは思ってたし正直日の丸を背負いたくなかった」と、当時の複雑な心境を明かした上野。

実際「今の気持ちのまま実績だけで日の丸をつけるのは凄い失礼だと思ったし、曖昧なままにしてたら自分自身がソフトボールを嫌になっちゃうんじゃないかなと」と話したが、競技に対する情熱を失いかけていた時、「“あなたは子供達にとったらスターなんだからスターの自覚をしなさい”って母が言ってくれたんです」と母・京都さんの一言により「自分がやらなきゃいけないという自覚が持てるようになってきたので、そういう言葉が今でも忘れられない」と語った。

8月に女子世界選手権、9月にアジア大会と大一番が控えるソフトボール女子日本代表は、東京五輪での競技復活をアピールする意味でも大切な大会を迎える。夢の東京五輪出場について高橋さんから「自分自身が投げるってことは?」と訊かれた上野は「6年先を考えるというよりは1年1年が勝負。来年また頑張れたら、じゃあもう1年頑張ろうっていうのが6回続いたら」と笑顔を浮かべた。