軽減税率は、

消費税12%適用時の

切り札。15%も…

「先生、バナナはおやつに入りますか?」。

遠足前の小学生の質問のような話である。食料品など生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率の設定について、麻生太郎財務相は「クリームパンを食品とみるか菓子と見るかで税率が変わってくる」と述べ、線引きの難しさを強調した。

消費税率10%実施の最終判断は今年12月。与党の税制協議会が適用品目の検討に入ったが、食料品は無数にある。議論をこれから詰めても、年末までの決着は技術的には不可能だろう。軽減税率導入を主張する公明党や一部野党からは、「時間切れを狙った財務省の高等戦術ではないか」との指摘もある。

実際に外食と酒類以外の食料品の税率を1%引き下げると、政府にとって5000億円近い大幅減収となる。安易に軽減税率を導入すれば、財政再建のために決めた再増税の効果が薄れてしまうので、財務省が簡単に折れる可能性は限りなく低いだろう。

一方、消費税増税は10%で打ち止めではない。政府内では「次は12%、その次は15%」とのシナリオが公然と語られている。そして「軽減税率は消費税12%を通すための切り札」との声が上がっている。

5月末にはIMF(国際通貨基金)が、「日本の景気は今年4月の増税を上手に乗り切りつつある」との声明を発表。さらに、IMFは法人税減税に伴う財源確保の必要性を強調し、消費税率を「最低でも15

%」に引き上げるよう求めた。

日本はIMFの出資国として米国に次ぐ2位となっているだけでなく、IMFには財務省からキャリア職員が出向している。このため、古くから「IMFは財務省の代弁者」とも言われ、15%への増税は規定路線のようだ。(木島 隆)

麻生太郎財務相は生活必需品の軽減税率に関し、導入が簡単でないことを強調しているが、これは消費税「12%」への切り札にしたいから?
この記事は「WEBネットマネー2014年8月号」に掲載されたものです。