明日14日の早朝に行われるサッカーW杯の決勝戦。全世界が注目するこの最高の舞台に登場するのは、開催国・ブラジルを準決勝で7-1の歴史的大差で葬った"全員サッカー"のドイツと、同じく準決勝でPK戦の末、辛くもオランダを下した"戦術メッシ"を採用するアルゼンチンの2チームです。

 この両チームは1990年のイタリア大会決勝でも対戦しており、6大会ぶりに同カードでのファイナルとなります(当時は西ドイツとして出場)。その試合では、ドイツがマラドーナ率いるアルゼンチンに1-0で勝利し、見事、優勝を飾りました。2010年の前回大会でも両チームは対戦、その時もドイツが4-0でアルゼンチンを粉砕しております。ただ、過去7度開催された米大陸でのW杯では、欧州チームが優勝できないというジンクスもあります。いずれにせよハイレベルな展開が期待されます。

 一方、今大会で日本は「自分たちのサッカー」ができずに、予選リーグで敗退してしまいました。その後も続く同大会では、驚くようなレベルの試合が展開されています。スピード、フィジカル、テクニックと、世界との差を痛感した人も多いのではないでしょうか。

 目覚ましいスピードで進化する世界のサッカー。今後、どのような形で進化していくのでしょう。サッカーライターの西部謙司氏は書籍『サッカー批評』のなかで、「(未来のサッカーは)ハンドボールに近いかたちになる」とした上でこう語っています。

「ハンドボールでは、いったんボールをキープされたが最後、それを奪い返すのはほぼ不可能だ。そのため、相手がボールを持ったら守備側は引いて守備ブロックを作り、相手をシュートレンジに入れないように守る。(中略)サッカーは、ミスのスポーツといわれるが、技術が進歩すればミスは減っていく。つまり、ハンドボールに近づいていく。ゲームの様相も、用いられる戦術もハンドボールに近づいていくに違いない。だからサッカーの未来がハンドボール化するのは必然だと思っていたし、今もれそれは変わらない」(書籍『サッカー批評より』)

 この話は、世界最高のクラブと言われるFCバルセロナのサッカーを思い出すとわかりやすいかもしれません。圧倒的なテクニックを誇るバルセロナは、ハンドボールのチームかのように横パスをつなぎ、守備ブロックを作った相手チームは自軍に張り付く形になります。

 技術が進歩するからこそ近づくサッカーの"ハンドボール化"。明日の決勝戦にそのヒントが隠されているかも......そんな視点で、20年後のサッカーの形を想像しながら観戦してみてはいかがでしょうか?