1日に6時間座っていると死のリスクが40%増大する」というほどに座りっぱなしのデスクワークは危険なもので、「腰痛」もそんな座りっぱなしのデスクワークがもたらす弊害のひとつ。厚生労働省の調査結果によると日本の腰痛人口は2800万人で、これは総人口の約2割以上が腰痛に苦しんでいるということを表します。現在腰を痛めていない人でも、日々の悪姿勢による体への負荷がたまりにたまってある日突然腰に違和感を覚え、「まだ若いし大丈夫だろう」と放置しているうちに症状がトンデモナイことになってしまう……というのはよくあること。

そういった腰痛を少しでも和らげたり改善したりするための手段のひとつが、「自分の体に合ったオフィスチェアを購入すること」であり、自分にとっては「セイルチェア」を購入してこれに座ってデスクワークにのぞむことでした。

セイルチェア - オフィスチェア - ハーマンミラー

http://www.hermanmiller.co.jp/products/seating/performance-work-chairs/sayl-chairs.html

◆体に合わないイスと悪姿勢

オフィスチェアを買い換えなければいけないくらいに腰痛が悪化してしまったのは、自分の体にまったく合っていないオフィスチェアに1年近く座り続けていたから。

腰を痛めるまで愛用していたオフィスチェアはコレ。いろいろなオフィスチェアに座りまくって選んだわけではなく、このイスしか余っていなかったので自動的に割り当てられるような流れで使い始めました。



普通に座っても座面が大きすぎて背中に背もたれが触れず、背もたれはほぼ機能しないまま約1年間使用していました。





無理矢理背もたれに背中をつけて座ろうとするとこんな状態になり……



足が浮いてしまいました。



足が浮いたままではまともに作業できないので、背もたれを全く使わないまま座って作業するようになり、気づけば背骨は赤線のようにきれいなアーチを描くようになり、理想的な猫背を形成するようになります。



もちろんこのオフィスチェアだけが腰痛の原因というわけではなく、自宅には人をダメにするソファがあり、これも腰に大きな負担をかけていました。



これらの要素が相重なって、ある日突然腰に激痛が走り、ベッドから起き上がれずに声にならない声を上げることとなってしまったわけです……。その日以降、腰に負担のかかる姿勢を極力避けることで症状自体は日に日に改善していったのですが、それまでとは全く別の生き物になってしまったかのように「素早い動き」や「前屈みの姿勢」、「地べたに座る」などが激痛でできなくなってしまい、背筋をピンと伸ばすか背中をそるくらいにしていないと常に腰に多少の痛みを感じるようになってしまいました。

「これは一刻も早く何とかしなければ、一生腰痛と付き合っていくことになる」と思い、編集部内で腰痛について相談してみたところ、「毎日自分の体を支えてくれているオフィスチェアを見直すべき」と言われ、おニューの自分の体に合ったオフィスチェアを購入することになります。

そんなわけでまずはさまざまなオフィスチェアの座り心地をチェックすべく、編集部員のいなくなった編集室に侵入し、いろんなオフィスチェアに座ってみることに。もちろん重視するのは「自分の腰への負担が一番少ない」という一点のみで、複数のオフィスチェアに座って導き出した自分なりのオフィスチェアを選ぶ際の重要ポイントは以下の4つ。



・背もたれ部分と体のフィット感

・リクライニング時に腰が前に曲がるイスはNG

・リクライニングのゆるいイスは、起き上がる際に腰に負担がかかるのでアウト

・アームレスト部分の高さは低いものもあるので絶対にチェック

これらのポイントを頭の中で反すうしながら自分の体に合ったオフィスチェアを探すべく、IDC大塚家具の大阪南港ショールームへ。ここでいろいろなイスに座りまくっている際に、「おっ、おおっ!?」といった具合に自分の腰とかなりうまい具合にフィットしてくれた奇跡の救世イスがセイルチェアで、腰への負担が少なく、座り心地もグッドで、おまけに値段も比較的良心的だったので、速攻でネット上でポチッと購入してしまいました。



そして数日後に注文したセイルチェアが到着。どんな風に届くのかと思っていたら、まさかの巨大ダンボール箱に入っていました。



箱を留めているPPバンドをカット。



ダンボールの中には緩衝材などは入っておらず、ビニール袋で覆われたセイルチェアがポツリ。



これを箱から出して、覆っていたビニールを取るとセイルチェアがようやく姿を現しました。



購入時についてくる保証書や説明書はたったのこれだけ。オレンジ色のカードの中には、イラスト付きの英語でセイルチェアの使用方法が書かれおり、白色の保証・取扱説明書の方には日本語で使用方法が書かれています。



というわけで説明書やビニールを取っ払うとこんな感じ。セイルチェアはあらかじめ組み立てられた状態で届くので、玄関や狭いスペースなどは通れない可能性があるので要注意。



各パーツの名称はこんな感じで、ベース&フレーム・サスペンションフィニッシュ・アームフィニッシュ・張地のカラーは自由に選ぶことができます。



側面から見るとこう。



背面からパシャリ。背もたれ部分を支えるY字パーツが特徴的です。



セイルチェアの特徴といえば、なんと言ってもこの編み編みの背もたれ部分。これは柔軟性のあるエラストマー素材で、通気性も良く夏は背中が蒸れなくてかなりグッド。



背もたれ部分はこんな感じで腰にフィットする部分が前につきだしており、これが何とも良い具合に腰全体にフィットして支えてくれます。



手で押してみるとムニュっと形が変形するように、体型に合わせて編み編みの背もたれ部分は形を変形させ、体圧を分散してくれます。



張地は真っ黒ではなく、少し緑色の入ったオリーブ系の黒。



アームレスト部分は指で押してみるとやわらかい素材になっていることが分かります。



シートの左下には、シート調節用のレバー(上)とリクライニング範囲調整用のレバー(下)。



シートはこれだけ可動します。





リクライニング範囲調整用のレバーはコレ。



先っぽの位置を変えることでリクライニングの範囲が3段階で変更できます。



レバーを90度に曲げておくと……



リクライニング範囲は最小になり、レバーの形と同じく背もたれはほとんど垂直状態までしか倒れません。



そしてレバーをほぼ150度くらいまで動かすと……



リクライニング範囲は最大になり、ここまで倒せるようになります。



シートの右下にはリクライニングの固さを調節できる丸型パーツと、シートの高さを調節するためのレバーがあります。リクライニングの固さ調節にはかなりパーツを回す必要があるのですが、リクライニングの固さはゆっるゆるの腰に負担大な固さから、カッチカチの足元でかなり踏ん張らなければリクライニングできない固さまで幅広く調整可能です。



セイルチェアは背もたれ部分と体のフィット感が抜群で、背中を背もたれ部分につけても背骨が曲がることなくきれいにピンと伸びる点が個人的にはかなりグッド。座面の位置は移動させられるので背もたれをキッチリ有効活用することができるようになり、姿勢が少し悪くなった際には意識的に背もたれ部分に背中をくっつけるようにして姿勢を正すクセまでついてきました。



このオフィスチェアは腰にフィットする部分が前につきだしており良い感じにフィットするのですが、背もたれの上部が前にグッとつきだしているせいで背骨がゆるく逆S字に曲がります。このオフィスチェアのように背もたれの上の方が少し前につきだしており、背骨がゆるく逆S字に曲がるものも多いのですが、自分の場合は腰との相性が良くないようで長時間座っていると腰に変な負荷がかかって腰痛がひどくなってしまいました。



その点、セイルチェアの背もたれ部分はきれいに真っすぐ伸びているので長時間座って仕事をしても腰への負担がほとんどなし。また、腰を痛めてから即行動を起こしたおかげか、実際にセイルチェアに座るようになってから約1か月もすると腰の症状は劇的に良くなり、腰に負担のかかる座り方を長時間しない限りはほとんど痛める前と同じような状態にまで回復することに成功しました。



ひとつ残念なポイントを挙げるとすれば、アームレスト部分が調整しづらく、アームレストを一番高い位置まで持ち上げようとしては、持ち上げすぎて一番下まで落としてしまい、これを何度も繰り返してしまいがちになる点。

「セイルチェア」アームレストの高さを調節 - YouTube

オフィスチェアはそれぞれの体に適したものを使用するのが一番ですが、「今使っているものが体に合わない」だとか、「そろそろ新しいものに買い換えたい」など、新しいオフィスチェアを探す必要性に迫られた際には1度候補のひとつとして実際に座ってみるのはアリです。セイルチェアはカラーによって価格がかなりまちまちなのですが、Amazon.co.jpで見てみると7万円を切らないくらいから購入可能で、オフィスチェアとしては比較的良心的な値段で購入できます。

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なお、ネット上ではセイルチェアのきしみ音が問題視されていたりしますが、2か月以上使い続けている現段階ではまだきしみ音を聞いたことはありません。