来年から個人も

買える「物価連動債」は

元本保証だ!

5月13日、財務省は2015年1月から「物価連動債」の個人保有を可能にすると発表し

た。

物価連動債は物価動向に連動して元金部分が増減する国債で、リーマン・ショックを契機にデフレ観測が強まったことから、2008年10月より発行が停止されていた。

2013年10月、約5年ぶりに発行が再開されたが、購入は機関投資家に限定されていたのだ。

現在の発行残高が4兆円程度と国債の発行残高の1%に満たない規模であり、国債商品の多様化や資金調達の安定化のために、個人投資家の保有を解禁することになった。

そもそもの物価連動債の商品性は、発行後に物価が上昇すれば、その上昇率に応じて元金額が増加するというものだ。

表面利率は発行時に固定されているため、インフレにより物価が上昇した場合には、元金額が上昇するので、利子の額も増加することになる。しかし、逆にデフレとなって物価が下落した場合には、元金額と利子額が減少するという仕組みになっていた。

これが、発行再開となってからは商品性が変更されて「元本保証」となった。償還時にデフレとなっていても、償還価格は額面価格が保証されるというわけだ。変動商品は金利が変動するのが通常だが、「物価連動債」は金利が固定され、元金が変動する。

たとえば、元金100万円で年率1%の場合、物価が1%上昇すると元金が101万円になる。金利は1%のままだが、元金が増加することで、利子額も増加することになる。

物価連動債が連動するのは、全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)=いわゆるコアCPI。

このコアCPIは、黒田東彦・日銀総裁が打ち出した「異次元緩和」が目指す、2年で2%の物価上昇という対象指標だ。

黒田総裁の異次元緩和が行なわれたことにより、コアCPIは2013年6月以降、前年同月比でプラス基調が継続している。

個人国債はさまざまな種類が発行され、購入されているが低金利下であり、5年、10年という期間の投資でもあまり妙味がない。

しかし、物価連動債は日銀が目指す2%の消費者物価に向かい、元金が増加していく可能性がある。個人投資家にとっては、かなり魅力ある商品になるかもしれない。

(宗像正伸)__