先日発表された世界のスーパーコンピューター(スパコン)ランキングで3連覇を達成した中国のスパコン「天河2号」。その処理速度は世界一だが、年間の電力消費量もトップクラスのようだ。香港メディア・成報の報道を新浪網が大陸向けに伝えた。(写真は新浪網の4日付報道の画面キャプチャ)

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 先日発表された世界のスーパーコンピューター(スパコン)ランキングで3連覇を達成した中国のスパコン「天河2号」。その処理速度は世界一だが、年間の電力消費量もトップクラスのようだ。香港メディア・成報の報道を新浪網が大陸向けに伝えた。

 記事は、処理速度の上昇が競われる現在のスパコン開発業界が「一方で技術的なネックに直面している状況」であるとし、その問題点について論じた。

 まず取り上げたのが「エネルギー制御の難しさ」。ここで、「天河2号」の年間電力消費額が1億元(約16億4500万円)、フルパワー運用された場合は1億5000万元(約25億6700万円)に達すると紹介した。今後さらに規模の大きなスパコンを運用するには専用の原子力発電所からの電力供給が必要になるレベルであり、実用的な価値が失われるとした。

 また、将来のスパコンには10億を超える部品が使われるようになるほか、現在の故障率によると10-20分に1回ハードウェアのエラーが発生し、解決するのに30分程度かかることも、スパコン開発における課題であると伝えた。

 記事はさらに、スパコンの演算速度が高まったとしても、ストレージの読み取り速度が追いつかない現状もあると紹介。このため、単に処理速度を求めるのではなく、実用的な価値を重視すべきだとの声もあがっていると報じた。(編集担当:今関忠馬)(写真は新浪網の4日付報道の画面キャプチャ)