Q:年齢的なことから、ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)が気になります。姿勢もよくないし、足腰も弱いようです。ロコモ対策について教えてください。(60歳・自営業)

 A:ロコモは、体を動かすのに必要な器官(骨や関節、筋肉などの運動器)に障害が起こり、動きや移動する能力が低下し、介護が必要になるリスクが高い状態のことです。
 運動器が衰えると、体を動かす能力が低下し、腰痛や膝痛などを引き起こしやすくなります。さらには、変形性関節症や骨粗鬆症を発症することもあります。加えて、運動器の故障が進んでしまうと寝たきりの状態になる恐れもあります。
 そこで、運動器の衰えを防ぐことが求められているわけですが、ロコモ対策としていちばん重要な器官は骨盤であると、私は考えています。
 骨盤は、全身の骨格において土台の役割を担っています。骨盤の上には脊柱がのり、下は下肢の骨につながっています。さらに立体構造をしており、全身の骨格の軸となっています。
 上肢や下肢がいろいろな動きができるのも、骨盤があるからですが、その分負担がかかり、歪みやすいのです。揚げ句、腰痛を引き起こし、上肢や下肢の整形外科的な痛みなどの症状の発症にも関係してきます。

●お尻にゴムバンドを巻いてリンボーダンスを
 骨盤は構造もさることながら、左右のズレ、上下、前後と、歪みも立体的です。
 ご質問の方は、年齢も考慮に入れると、骨盤は上下で傾きがあるのでしょう。お腹を前に出し、背筋を丸めた姿勢が身についていると思われます。背骨も湾曲していると思われます。
 また、骨盤が横に広がっているはずです。一般に、齢をとればとるほど、骨盤は横に広がってくるものです。それは老化の指標でもありますが、骨盤が広がると脊椎も曲がり、座骨神経痛などの症状も出やすくなります。
 そこで、骨盤の形を元の正常な形に戻すことが求められます。その一つは、骨盤を外から締めることです。また、お腹を突き出した姿勢を直すにはリンボーダンスが役立ちます。
 生ゴムのバンドをお尻に巻き、リンボーダンスのように腰を左右にゆすりましょう。この運動を毎日行うと、腰の歪みが改善し、足腰が強くなってきます。

山田晶氏(飯田橋内科歯科クリニック副院長)
骨盤療法(ペルピックセラピー)で著名。日本歯科大学卒業。歯科の領域から骨格に関心を持ち、そのゆがみに着目。骨盤のゆがみを自分で取る方法として、腰回しの普及に努めている。