スーツ代が経費で落とせるって本当?―スーツや接待も「勤務必要経費」として経費化できる

写真拡大

サラリーマンの必需品とも呼べるスーツ。季節や流行に合わせて新調するのは楽しいが、「いつも同じ」と言われないように買い続け、負担に感じているひとも少なくないだろう。

そんなあなたにおすすめなのが「特定支出控除」で、サラリーマンでもスーツや交際費が経費として認められる。確定申告をすれば還付される可能性があるので、領収書やレシートは捨てずに保管しておこう!

■転勤すると税金が安くなる!

企業の場合は経費が認められ、

・収入(売上)―経費=所得(利益)

となるため、経費が増えると所得も減り、税金も安くなる仕組みになっている。対してサラリーマンのように「給与」をもらっている個人の場合、経費の代わりに「給与所得控除」が受けられる仕組みになっている。これは靴やスーツ、書籍や交際費など、仕事をするうえで「常識的に必要な金額」が、自動的に経費として計算されているのだ。

ただし、資格取得のための勉強や単身赴任など、多大な費用が発生する場合もある。そんなときに有り難いのが「特定支出控除」で、給与所得控除をオーバーした分を経費として申請すると、収入が減ったのと同じに扱われ、所得税の控除が受けられるのだ。

特定支出控除は昭和62年から導入されていたものの、知られた存在にならなかったのはハードルの高さで、多大な経費を使わなければ実現できなかった。そこで平成25年からは、

・給与所得控除額の50%(給与収入が1,500万円以下の場合)

・125万円(給与収入が1,500万円超の場合)

を超えた金額が控除されるようになった。対象となるのは、

1.通勤費

2.転勤費

3.研修費

4.資格取得費

5.帰宅旅費

6.勤務必要経費(図書/衣服/交際費など)

で、3.は仕事に必要なスキルアップのための研修、5.は単身赴任者が自宅に戻る際の交通費を意味している。もっとも身近なのは6.で、勉強のための書籍を始め、スーツや靴、自腹でおこなっていた接待費用などが、65万円を上限に経費として認められるのだ。

■月5万円分の衣類も「経費」に!

どれくらいの経費を使うと、特定支出控除が受けられるのか? まず年収と給与所得控除をあげると、

・400万円 … 134万円

・600万円 … 174万円

・800万円 … 200万円

・1,000万円 … 220万円

・1,500万円以上 … 一律245万円

で、年収600万円のひとなら、174万円の50%である87万円を「超えた」分が申請できる。もし年間100万円の経費が発生したら、差し引き13万円が控除対象となるのだ。

これに6.勤務必要経費を合わせ、月平均でシミュレーションすると、

・すべての経費 … 年間87万円 / 月間72,500円

・スーツなどの勤務必要経費 … 年間65万円(上限) / 月間54,166円

・その他の経費 … … 年間22万円 / 月間18,333円

が発生すれば申請可能だから、転勤や資格取得などの大きなイベントがなくても、おしゃれなひとならクリアできない金額ではない。かりに資格取得のために月8万円かけた場合、差し引き9万円が控除対象となるので、1か月分をチャラにできる計算だ。

注意すべきは、給与支払者=勤め先の証明が必要な点だ。仕事に必要な費用であることが前提なので、誰でも自由に申請できるわけではない。当然レシートや領収書も必要となるので、会社と相談するまえに、片っぱしから残しておくのが良いだろう。

■まとめ

・サラリーマンも、経費の申請が可能

・年収600万円のひとなら、87万円を超えた分が控除対象

・経費として認められれば、収入が減ったのと同じ扱いで、所得税も安くなる

・スーツや接待も「勤務必要経費」として経費化できる

・「仕事に必要」が前提なので、申請には勤め先の証明が必要

年収600万円に対する給与所得控除174万円は、経費率29%の意味でもある。サービス業は一般的に28〜30%程度といわれているので、かなりの厚遇といえるだろう。

そのうえで、さらに経費が認められるのはありがたい話だ。単身赴任や転勤のひとは、ぜひとも利用して頂きたい。

(関口 寿/ガリレオワークス)