都議会の塩村文夏議員へのヤジ事件は、発言者の鈴木章浩都議が謝罪したことにより一応、収束したかのように見えたが、ここにきて逆に、被害者の塩村都議へのバッシングが活発になっている。

塩村都議の過去を揶揄する週刊誌

6月26日発売の週刊文春は、

涙のヒロイン 塩村文夏「華麗なる履歴」
▼たけしの熱湯コマーシャルビキニで写真集PR
▼維新塾からみんなのアイドルに 朝日記者大企業御曹司にも大モテ
▼恋から秘話「別れた男から1500万円」にさんまも絶句
▼許可なしポスター地元でヒンシュク 家賃未払いで訴えられた!

との見出しで、グラビアアイドルやエッセイストとしてテレビ出演し、ビキニ姿や過激な恋愛トークを披露した過去を報じている。

また、同日発売の週刊新潮は

元彼から慰謝料1500万円! 不倫報道! 複数の婚約者!
実は女の敵だった「美人都議」白いスネの傷

と題して、主に塩村都議の恋愛関係に関するスキャンダラスな話題を取り上げている。

被害者への第二次被害を生むマスメディアの根強い差別意識

こうしたマスメディアの報道や姿勢に対して、批判的な声も出ている。

ジャーナリストの津田大介氏は6月26日に開かれた、ヤジ事件の今後を考えるネット署名賛同者のイベントで、「マスメディアの女性記者やアナウンサーも、この問題に対して、なかなか怒りを表明するのが難しい、職場で声を上げづらいという現状がある。マスメディアも男社会。なぜ鈴木都議がヤジを言ったのか、ヤジを言ってもいい空気が作られたのかというところに踏み込まないと問題は解決しない。伝えるメディアも女性差別意識が根強く一部にある。そういうメディアが国民の意識を作っている部分が大きい」と厳しく指摘。

福島瑞穂参議院議員も、「被害女性に対する第二次被害のようなことがメディアで報道されていることが大問題。これは、女の人が痴漢に遭ったり、レイプされたら、『あなたは夜中に歩いていた』『その恰好はどうだ』『私生活はどうだ』と言われているのと一緒で、女性差別発言に対して抗議をした人そのものを叩くことで、問題の本質をずらしていくこともおかしい」と訴えている。

(編集部)