2012年11月、野田佳彦首相(当時)の解散宣言を機に始まった「アベノミクス相場」。レオス・キャピタルワークスの最高投資責任者・藤野英人氏によると、2013年末の安倍晋三首相の靖国参拝を機に終焉を迎え、現在は「ポスト・アベノミクス相場」に突入しているのだという。この相場で勝つための投資戦略を、藤野氏が解説する。

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 いまの相場では、アベノミクス相場の時のように、大型株と小型株のどちらを選べばよいか、といった考え方では勝ちにくい。投資戦略を立てる際には、まず身を低く構えることが基本となる。

 なにしろここからは成長性の高い株がそのまま相場を押し上げるような展開は望みにくい。いくら成長性が高いからといっても、あまりに割高なら物色されない可能性もある。PERなどの指標を見て、バリュエーションの高い銘柄はまず避けた方が無難といえる。

 そういう意味では、グロース(成長)株よりもバリュー(割安)株に目を向けたいが、ただ割安というだけでも株価の上昇は望みにくい。

 そこで作戦としては、バリュエーションの高くない、割安圏にありながら成長性も期待できる「安定成長株」を探したいところだ。理想をいえば、そこに東京五輪や人材流動化、スマホやパソコン関連で回復基調にある半導体といったテーマを伴っていれば、なおよいだろう。

 特に注目したいのが「昨年は相場になっていない業種」である。不動産やバイオ関連といった昨年相場になった業種よりも割安感があるうえ、成長性も見込める。

 たとえば「ゼネコン・建設」は折からの復興需要に加え、東京五輪という追い風もあって、人手不足が顕著となっている。今後も大きなテーマであるのはいうまでもない。

 ITのなかでは「eコマース」関連が有望だ。消費全体に占めるeコマースの比率は現在の3%から10年後には10%になると予測されている。今後10年で市場規模が3倍強に膨らむと見られる業種はそうそう見当たらず、今後の日本を支えていく銘柄群となるのはほぼ間違いない。にもかかわらず、楽天やヤフー、アスクルなどは株価が下がっており、割安感は高まっている。

 今後のeコマースの伸びに人材不足というキーワードをかけ合わせれば「物流」も外せないところだ。

 また、少子高齢化による「介護・看護」関連は変わらず目を向けておきたい。バイオ関連の失速につられるような格好でマーケットとしては逆風が吹いているが、今後も有望なテーマであることに変わりはない。見直し機運の高まりも期待できる。

 いずれも、今後3〜5年で見た場合、日本を支えていく銘柄群であることはほぼ間違いなく、割安なところで仕込んでおくのが得策ではないだろうか。

※マネーポスト2014年夏号