カナダ・バンクーバーの教育現場、新語“Xe”で大揺れ (画像はイメージです)

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男女平等、個性尊重、そして性同一性障害への理解が進み、児童・生徒を男子/女子に分けることを善しとしなくなってきた学校教育の現場。カナダで進むジェンダーフリーの精神にもとづき、バンクーバー市では“Xe”なる新しい言葉が誕生した。しかしその支持率はかなり低め。どの学校でもPTAは喧々囂々となっているもようだ。

カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー市の教育現場では今後、これまで聞いたことのない「Xe(ゼ)」なる新しい単語が多用される可能性が出てきた。たとえば「ジョンはボブからリンゴを3つもらいました。ケイトからも4つもらいました。“He(ジョン)”は今、いくつのリンゴを持っているでしょうか」といった文章問題において、男女で異なる“He”や“She”といった代名詞を用いず、これからはどちらにも“Xe”を使おうという動きだ。

ジェンダーフリーの精神を具体化しようと、通達で各学校にそのような呼びかけを行ったバンクーバー市教育委員会。his/her(s)に代わって“xyr”、him/herに代わって“Xem”という新語も考案されたようだ。委員のひとりであるマイク・ロンバルディ氏は、地元メディア『Vancouver Sun』紙に「性別を超えたトイレの使用も取り入れていく方針です。我々はどの児童・生徒にとっても居心地のよい環境づくりをするよう努力していきます」と話している。

ただしこの新しい試みに対し、PTAの評価は芳しくない。「意味をなさない単語が混じると子供たちは困惑する」、「訳をよく分かっていない6歳児にどう説明するのか」、「違和感がある」といった反対意見が続出している。中には、「そのようなことを決める際に、児童・生徒の心理学や医療に携わっている専門家の意見は投影されたのか」と教育委員会の暴走を指摘する親も。またトイレについても、「当人にとってはデリケートな問題で、男女兼用を許可すれば済むという話ではない」と慎重論が多いもようだ。ちなみに、化学の元素記号でXeとは希ガス“キセノン”のこと。またギリシャ語でXeは“風変わりな”という意味だそうだ。

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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)