長谷部「最後は攻める姿勢を貫いての失点。後悔していない」

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[6.24 ブラジルW杯C組 日本1-4コロンビア クイアバ]

 右膝に不安を残したままの大会突入だったが、終わってみれば3試合すべてに先発し、最後のコロンビア戦ではフル出場を果たした。アルベルト・ザッケローニ監督がMF長谷部誠に寄せる信頼の強さが際立った3試合だった。

「この4年間、このW杯のためにやってきたが結果は出なかった。非常に残念。応援に来てくれたサポーターもいるし、時差のある中、日本で応援してくれたサポーターもいる。気持ちに答えられなかったのが悔しい」。信頼され、期待されたからこそ、長谷部は唇を噛んだ。

 けれども、コロンビア戦に関しては1-4の大敗を悔やむ気持ちだけが心に浮かんでいたわけではない。1-3とされ、決勝トーナメント進出が絶望的になった後半37分の心境を聞かれ、こう言った。

「自分たちは最後までやり切る使命があったし、最後まで顔を上げてやろうとみんなで話した。攻める姿勢を最後まで貫いて、ああいう結果になった。後悔がないかと言えば、最後の部分は後悔はない」

 むしろ悔恨の思いが残るのはコートジボワールとの初戦だ。おそるおそる試合に入った日本は、FW本田圭佑のゴールで先制点を手に入れたものの、後半途中に出てきた相手のエースFWドログバの前にびびり、おずおずと守備ラインを下げ、2失点を喫して逆転負けした。日本らしさをまったく出せなかった。

 昨年6月のコンフェデレーションズ杯初戦のブラジル戦と同じようなプレー内容。長谷部は「コンフェデの経験も生かせなかった。今回も初戦は多少ナーバスに入ってしまったし、相手は違うにしても、自分たちのサッカーをできなかった」と自嘲気味に言った。

 今回のメンバーでの冒険は終わった。この先はどういう方向性を持っていくべきか。

「ここでまた新しいものを模索していくのか、これまでの方向性を継続していくのか。それを考えるのは日本サッカー協会だが、日本の10年、20年先を見てやっていくのであれば、継続していくことがいいというのが僕の個人的な思い」と長谷部は言う。

 そして、最後にこう加えた。「このチームはまとまりや団結も素晴らしかった。試合に出ない選手の振るまいは、2010年からチームに受け継がれているもの。それは継続していくべきだと思う」

 仲間を信頼し、指揮官からも仲間からも信頼され続けた長谷部らしい言葉だった。

(取材・文 矢内由美子)