現実を直視できない岡崎「未練もある」

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[6.24 ブラジルW杯C組 日本1-4コロンビア クイアバ]

 何も考えられなかった。FW岡崎慎司は「力不足と言えば、それまで。それしか考えつかない」とあえぐように言うと、「自分の力がないなと感じた大会だった」と総括した。

 4年前の南アフリカW杯はサブ要員だった岡崎だが、今大会は3試合いずれも先発。「前回、感じられなかったことがたくさんあった」と振り返るが、それも課題ばかりだった。

「自分の好きなところにボールが来ればある程度できるけど、W杯はそれだけじゃない。そこを抑えられたときに自分の総合力が問われる。それを考えたときに、自分のやってきたことはまだまだ足りないと思った」

 ミスを取り返そうと必死だった。前半16分、中盤でボールを奪われ、カウンターからスルーパスに抜け出したFWアドリアン・ラモスに対するDF今野泰幸のスライディングタックルがファウルを取られ、PK献上。先制点を許した。それでも前半アディショナルタイム、FW本田圭佑の右クロスから岡崎がニアサイドでDFカルロス・バルデスと競り合いながらダイビングヘッド。ゴール右隅に流し込み、前半終了間際に同点に追いついた。

「自分のせいで失点したので、取り返せたことは気持ち的に大きかった」。過去2試合、シュートを打てずに終わっていた岡崎にとって、これが今大会のファーストシュートだった。南アフリカW杯のデンマーク戦に続く2大会連続のゴール。しかし、後半は老練なコロンビアの試合運びの前になす術がなかった。

 ハーフタイムにMFハメス・ロドリゲスを投入してきたコロンビアは後半立ち上がりに攻勢に出た。一気にたたみかけ、日本が対応する前の後半10分に勝ち越しゴール。あとは前に出てくる日本の攻撃をいなし、カウンターで追加点を重ねるだけだった。

「やってきたことを封じられて、今日みたいに上がろうとバランスを崩したら1-4。コートジボワール戦みたいに下がろうとやったら1-2。一つのことを貫かせてくれなかった。そこを封じられたときに何もできなかった」

 自分たちのサッカーを追求してきた4年間。それをいとも簡単に封じ込まれると、次の“引き出し”がなかった。「この4年間やってきたことが打ちひしがれた気持ちでいる」。現実を直視できない自分がいた。

 ギリシャが後半アディショナルタイムの劇的ゴールでコートジボワールに2-1で勝ち、逆転で2位通過したことも追い打ちをかけた。結果的に、もしも日本が勝っていれば、決勝トーナメントに進出していたのはギリシャではなく、日本だったからだ。

「ギリシャが2-1で最後に持っていったというのはより響く。自分たちがやりたかったことをやられた。悔しいし、整理できない。勝っていれば自分たちが(決勝トーナメントに)行けていた。そういう未練もある」

 ロシアW杯が行われる2018年には32歳になっている。3大会連続のW杯出場について「今は想像つかない」と言うのは本音だろう。「どうやったらこの場所で勝てるのか。今はまだ引きずっている」。気持ちを切り替えられないまま、岡崎はスタジアムをあとにした。

(取材・文 西山紘平)