決戦を前に平常心の大久保嘉人「絶対に覆してやるって気持ちが強い」

写真拡大

 日本代表は大久保嘉人が救う。コロンビアとの決戦を翌日に控えたクイアバでの練習後、日本代表選手たちは取材対応を行った。試合前日ということもあり、ほとんどの選手が硬い表情で取材陣の質問に答える中、大久保嘉人は普段どおりの表情で、時に笑い、時に真剣に、明日の決戦について語ってくれた。

 コロンビア戦、同時刻キックオフのギリシャvsコートジボワール戦がドローに終わった場合、日本は基本的に2点差以上の勝利が必要となる。

「とにかく、点を取りにいかないといけない試合ですからね。その分、チャンスを増やさないといけない。この間のギリシャ戦、おれが外したシーンが目立ってるけれど、逆に言えば、あれしか(決定的なシーンは)なかったですからね。もっとチャンスを作らないと。これまでの親善試合では、チャンスをたくさん作ってきたと思うけど、ワールドカップの試合はまた別物だから。チャンスを多く作って、スピーディーにショートカウンターを狙うチームがこのワールドカップでは勝ち上がってきてますから。そこは徹底してやっていかないといけない」

 大久保は、勝たなければいけない状況を、「前の選手にとってはプラス」だと捉えているという。

「前線の選手としては相当プラスですよ。俺だけじゃなく、前の選手にとってはすごくプラスだと思いますよ。それだけチャンスが増えるわけだし。前の試合までは、やっぱり、みんな点を取られるのが怖いというのがあって、リスクを負えない部分があったと思いますけど、明日に関しては、みんなで前にいくしかないですから、リスクを怖がらずにいけると思います」

 得点を取るための具体的な方法についても、改めて口にする。

「とにかく、(ボールを)まずは中に入れること。そうやって中を締めさせてからサイド(に展開する)。これまでは締めさせずにサイドにいっちゃってるから、サイドでハメられちゃってるんですよ。それはすごくもったいないと思うし。まず、中に当ててからサイド、そうしないと怖さが出ない。一度中に入れることによって必ずサイドが空きますから。最初からサイドにいっちゃうのは簡単だけど、それだと結果的にキツくなる。それをやる以外にないですから。リスクを負わなければチャンスも何も生まれないから。それが今までやれなかったからうまくいかなかった。みんな、やるべきことはわかってると思いますよ。みんな、ここ(日本代表)まで来てる選手だから。あとは試合でどう出すか、どう実行に移すかだけです」

 また、コロンビア戦を前にして、チームがより一つになっていると感じているようだ。

「まだ終わりたくないという気持ちはもちろんありますよ。だからこそ、(チームが)より一つになっているなと感じます。(前の2試合は)まあ、もったいない、というのはありますけど、それを振り返っても仕方がない。明日の試合でチームで一つになってぶつかっていくだけです。本当に、みんな一つになってますから。絶対に覆してやるって気持ちが強いですし。みんな、やってやるぞ、というのがあると思います。(「この状況をプレッシャーに感じるか?」聞かれて)いや、俺はプレッシャーとかそういうのはないですから。やらないといけないですし。みんなもそういう気持ちだと思いますよ。みんな、できる選手ばかりだから。硬くなってるヤツなんていないでしょ。そんなヤツは代表に選ばれてないです。(「香川選手は?」と聞かれて)真司はもう大丈夫! 昨日も卓球でちゃんと勝たせてやったから(笑)。アイツ、負けず嫌いだから、卓球で負けてもすぐ落ち込むんですよ。だから、勝たせて、「ヨッシャ―!」って気持ちよくさせて、気持ちを上げときました(笑)。そこらへんは、おれは空気読みますよ。明日は大事な試合だからね。アイツは乗ったらすごいですから。一点取ったら、すぐ乗るから。明日はやりますよ、アイツは」

 取材をしているうちに、明日の試合が日本代表にとって本当に重要な一戦であることを、一瞬忘れさせられてしまうほど、大久保嘉人はいつもどおりだった。明日のコロンビア戦、その重要さから、ともすれば、気負ってしまう選手が出てきてしまう可能性も十分にあるだろう。だが、大久保嘉人に限っては、その心配は不要のようだ。ひとたびピッチに入れば、野獣のような激しさを見せつつ、肝心なところで平常心を保てるこのストライカーが、明日、日本代表を救うゴールを挙げてくれることを信じたい。

文=岩本義弘