理想を捨ててでも…麻也「形が出なくても勝てばいい」

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 形よりも結果にこだわる。コロンビア戦を翌日に控え、パンタナール・アリーナでの公式練習を終えたDF吉田麻也は「最悪、形が出なくても、勝てばいい。勝って次に進めれば、また自分たちの形を出すチャンスは出てくる」と、グループリーグ突破を懸けた最終戦への決意を口にした。

 これまでは形にこだわってきた。時にそれが過剰と思えるほどに……。日本らしいサッカーで世界に勝つ。そんな使命を胸にブラジルにやってきた。しかし、理想論だけで勝てるほど、W杯の舞台は甘くなかった。

 コートジボワール戦では相手に研究され、自分たちの良さを完全に消された。ギリシャ戦は相手が退場者を出したこともあり、多少の改善は見られたが、スペースのない状況を打開する手立ては最後まで見つけることができなかった。

「理想を言えば、自分たちがやりたいと言っているサッカーを出して快勝することが一番だけど、サッカーは相手がいるスポーツだし、どうなるか分からない。泥臭く(点を)もぎ取っていくことも必要だと僕は思う」

 相手はグループリーグの中でも最強のコロンビアだ。やすやすと自分たちの形が出せるとは思っていない。だからこそ「まずは相手に競り勝つ、相手に競り負けないことを頭に入れないといけない」と、サッカーの原点に立ち返る必要がある。

 決勝トーナメント進出のためには、まずコロンビアに勝つことが絶対条件。そのうえで他会場の結果を待つ必要がある。「厳しい状況で、置かれている立場が厳しい中でやらないといけないことは分かっている。でも、W杯に来れる選手は限られている。そこに立てている幸せをかみ締めながらやらないといけないと思っている」。ファン・サポーターだけでなく、代表メンバーに選ばれなかったすべてのサッカー選手の思いも背負っている。

「この試合がラストになるかどうかは、自分たちに懸かっている」。すべてはこのチームで1日でも長くサッカーを続けるためだ。そのうえで自分たちが目指してきた日本らしいサッカーを見せ、世界を驚かせる。その前提には、あくまで大会を勝ち上がることがある。勝って望みをつなぐ。今は理想よりも現実の結果が必要だ。

(取材・文 西山紘平)