自分に甘い大相撲界の体質は、ちょっとやそっとのことでは変わらない。

 横綱・白鵬の29回目の優勝で幕を閉じた夏場所は、10日間も満員御礼の垂れ幕が下がり、そのうち6日間は文字通り超満員の“札止め”だった。ようやく見えてきた人気回復傾向に勇気を得たのか、5月29日に開かれた理事会で親方たちの定年を現在の65歳から70歳に延長する案が提案され、波紋を呼んでいる。
 「発案者は今年1月、新公益法人移行と同時に発足した評議員会の議長に就任した池坊保子元文部科学副大臣。就任のお礼代わりにリップサービスしたところ、親方たちがすぐに飛びついたのが実情。定年延長は社会の流れとはいえ、いきなり5年も延長して70歳にするあたりが極楽トンボぞろいの相撲協会ならでは。肝心な財政は火のクルマ状態なのに」(担当記者)

 相撲協会は3年前、八百長問題で春場所を中止にするなど、48億8000万円もの大赤字を出し、いまだその後遺症に苦しんでいる。そのツケを最もかぶっているのが現役力士たちで、目下13年連続して給料は1銭も上がらず据え置かれたまま。今年の給与を審議した昨年11月の理事会でも「業績が大きく変化していない」という理由であっさりと“昇給ゼロ”が決まってしまい「億単位の年俸をもらっているプロ野球選手らとの格差は広がるばかりだ」と力士たちは大きなため息をついていた。

 これでは定年延長案に批判が出るのも当然。外部理事の宗像紀夫・元東京地検特捜部長は、「財政的なことや親方たちの新陳代謝問題など、いろいろ検討していかなければいけないので、結論はまだまだです」と“お手盛り”に慎重な姿勢を見せている。多くの親方たちは、もうすっかりその気になっているようだが…。