未来を変えろ!ものすごい既視感ある展開のドローとなるも、希望は思ったより残った日本VSギリシャ戦の巻。
タイムマシンで来ました!

熱戦つづくワールドカップ。日本代表はグループリーグ第2戦となるギリシャ戦に臨みました。前半のうちに相手エースが怪我で退き、さらに相手選手に退場者が出て10人になるという展開。50分以上に渡り11対10という有利な状態での戦いがつづいた日本ですが、1点は遠く試合はスコアレスドローに。優位に恵まれながら、勝ち切れませんでした。

グループのもう1試合ではコロンビアが2-1で勝利。最少得点差でコロンビアが勝ったことで、日本のグループ勝ち抜けはさらに険しい状況となります。第3戦コロンビア戦に勝つことは大前提で、ギリシャがコートジボワールに勝つか引き分けるかというのが生き残りの道。しかも、その中で得失点差の争いとなるため、日本勝ち・コートジボワール分けの勝点4で並んだ場合を想定すると、最低でも2点が必要となる格好。可能性はだいぶ少なくなってきました。

しかし、実はこれ、何十回かやり直したループ世界なんです。

僕はそのループが終わるたびにタイムマシンで過去に戻り、もう一度世界をやり直している観測者なのです。なかなか希望通りの未来にはなりませんが。そんないきさつですので、この先のこともおおよそ承知しているのですが、実は何十回のループの中では比較的マシな状態でここまで来ているのが今回のループ。基本ルートは以下の通りです。

●黄金世代が集い最強のJAPANが結成される

●劇的な勝利でアジアカップを制する

●ワールドカップ予選をいち早く突破

●コンフェデレーションズカップはグループリーグ敗退となるも、世界の強豪と互角の勝負

●欧州腕試しの旅で強豪を撃破

●大会を控え、主力にケガが相次ぐ

●サプライズFWを加えたメンバーで本番へ

●事前の調整試合は絶好調

●本番の第1戦は妙に身体が重く、エースの偶発的なゴールで先制するも相手のパワープレーに屈し、わずかな時間で得点を奪われ逆転負け

●絶対に勝ちたい第2戦は、相手がガッチリと守りを固め無得点。試合中の唯一のチャンスもガラ空きのゴールにシュートを流し込めず。わずかな可能性を残して最終戦へ(←今ココ)

●最終戦は南米の強豪国が相手。日本は気鋭のストライカーがよもやの先制点を挙げるも大量得点が必要な状況で前掛かりとなり、そこを突いた南米の強豪は余裕の逆転勝ち

●ポッキリと心を折られる最強のJAPAN

●試合終了後、チームの象徴たる中心人物はタオルを被ってセンターサークルでゴロ寝。直後に引退ポエムを発表し、電撃的に現役引退

●監督はJAPANの問題点を指摘しつつ、腑に落ちない顔で退任

●日本サッカー協会は批判の機先を制し、次期監督候補者を漏えい。「タケダって言っちゃったね…」

●日本代表人気凋落、親善試合は不入りに

とまぁ、こんな調子で日本代表が惨敗するのが基本ルート。このルートの先には、ガラガラの代表戦スタジアムや、あまりに評判が落ちたことで海外に行きたくても行けない的な展開が待っていました。何とかそれを避けようと、僕はリセットボタンを連打しているのです。

今回もリセットするのは簡単なのですが、比較的悪くない感じできているので、もうちょっとだけ様子を見ようと思います。基本ルートなら最後の試合は「最低でも3-0が必要」となることが多かったのですが、今回は2-0がターゲットとなるラクな展開。さらに、基本ルートでは4位の状態で第3戦が始まったのですが、今回は3位の状態で始まっています。これは地味に大きく、他力本願な状況ではありますが「勝ちさえすれば可能性が残る」という細い希望も見えているのです。

また、怪我人などの状況についても決して悪くありません。基本ルートではセンターフォワードの1番手を怪我で欠いたり、もうひとりのセンターフォワードは試合投入から5分で足を傷めたり、センターバックの要を怪我で欠いたり、ほかのセンターバックも足を痙攣させたり、エースがずっと発熱していたりと、とにかく体調面が最悪でした。しかし、今回はスポーツ科学の助けを借り、間に合わないと思われた選手まで本番に合流し、むしろのぼり調子で活躍している状況。

おまけに、最終戦で当たる「南米の強豪」は、基本ルートでは最強国ブラジルなのですが、それより弱そうなのを引いてきました!

1-0でもいい。とにかく勝てば何かが起こるかもしれない展開です。基本ルートのときも「1-0でも勝てば可能性がある」状態だったなら、先制点で一気にムードが変わったかもしれません。まだまだまだ諦めるには早すぎる。

よしんば何も起きなかったとしても、とにかく勝てば次のステージに進めるのではないでしょうか。ジャパンスタイルを世界に示し、さらに押し進めていくという次のステージに。何十回も同じ段階の悩みをループするのは少々飽きてきたところでもあるので、そろそろ未来に向かって一歩踏み出したいところ。

勝って、気持ちよく、これまでとは別の未来へ向かいましょう。

ということで、苦しい戦いの中にもうっすらと希望を残した、20日の「ワールドカップ 日本VSギリシャ戦」をチェックしていきましょう。

◆目標はさらにシンプルに!ジャパンスタイルを貫いて勝てばいいだけ!

勝利がほしい。できれば3点くらい差をつけて勝ちたいというギリシャ戦。日本代表は初戦と形を変えてきました。初戦同様に遠藤をベンチスタートとしただけでなく、攻撃の要である香川マンチェスター真司ユナイテッドをベンチスタートとしたのです。

大迫が1トップに入り、香川・遠藤がベンチに控える。これは昨年の欧州遠征オランダ戦の形。世界トップクラスの強豪と2-2で引き分けたあの一戦の形です。しっかり守って、ここぞというチャンスで仕留める狙いか。しかし、ギリシャがいかに強かろうが、オランダ以上ということはありますまい。大量得点がほしい一戦での、飛車・角出し惜しみがどう出るか。

仲間の頭を叩いて気合いを注入する内田。ベンチに残る香川とガッシリと抱き合い、試合に向かう本田△。大きな声で国歌を歌う選手たち。長谷部の目にはチカラが。大久保の目には不敵な笑みが。長友の目には世界最高のサイドバックへの野望が。大迫・山口には初戦よりはいくばくかの落ち着きが。コートジボワール戦後には精神的動揺も見えた岡崎も気合いを漲らせます。

そして始まった試合。日本は左のサイドハーフに岡崎、右のサイドハーフに大久保を入れる形。遠藤・香川不在の左で形を作るのはやめ、好調の内田からの展開を狙うイメージでしょうか。慣れない布陣は吉と出るか凶と出るか。一方、ギリシャは予想どおりの4-3-3の布陣。事前情報どおりの戦いをしてきそうです。

前半2分、日本は大久保のインテンシティあふれる突破から、クロスを受けた山口がオープニングシュート。さらに前半7分には岡崎がDFラインからの一発のパスで裏に抜け出る場面も作り、攻撃面での改善が見え始めます。しかし、前半19分、前半21分には大迫がミドルシュートで狙いますが、枠をとらえることはできません。前半24分のFKの場面では、絶対蹴らないだろう長谷部が見え見えのダミーでボールサイドに立つなど、チャンスを活かし切れないまま時間がジリジリすぎていきます。

そんな中、試合は思わぬ形で動きます。前半27分に1枚目のカードをもらっていたカツラニスが、前半38分にも長谷部への背後からのチャージで2枚目のカードをもらい退場。また前半30分にはエースのミトログルが長谷部のヒジが腰に入って負傷交代。キャプテン長谷部が何らかの呪術?で相手チームを壊滅状態に追い込んだのです。

↓退場するカツラニスを内田が慰める!

どうでもいいけど、このアクションを殴打ととられたりはしないのかね!

その辺は人を見て判断なのかしら!

「ポルトガルのペペならどんな触り方でも退場」とか!

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当初は両チームが勝ちを狙う中で、日本の「最弱の盾」とギリシャの「最弱の矛」の争いとなると見ていた一戦。日本がうっかり先に失点しなければ、まぁそのうち相手が前掛かりになった裏を取って勝つだろうと。しかし、カツラニスの退場によってギリシャはドン引きを決意。第一の目標を「引き分け」にリセットします。

こうなると話は変わってきます。攻撃のことを考えずゴール前をガッチリ固めるだけなら10人でもさしてやることは変わりません。後ろから長いボールを放り込む攻撃に対しては、多少チェックが甘くなるでしょうが、日本の小兵FWではその攻撃は効果薄。ギリシャにとっては望むところでしょう。点をもぎとれるか、守り切れるか。こちらのいいところと相手のいいところ、両方をぶつけ合う状態での戦いが始まります。

日本は後半頭から長谷部に代えて遠藤を投入。これにより配球はグッとスムーズになり、相手が1人足りないこともあって、ギリシャのペナルティエリア手前でのゲームがつづきます。ただ、そこからエリア内に侵入していく動きが足りない。手をこまねいて、結局はサイドからクロスを入れますが、それは相手の思うツボ。深く抉ってマイナスに折り返すような、地上戦のクロスを送りたいところですが、そこまでなかなかたどりつけません。

↓後半12分、状況の打開を狙う日本は満を持して香川ユナイテッド投入!

漫画ならこのヒーローが大活躍して日本勝利の展開だな!

問題は、これが漫画じゃないことだ…。

香川が入った日本は攻撃に若干の変化が生まれ、桜の花の香りぐらいの得点の匂いが漂い始めます。岡崎を1トップとし、左に香川、右に大久保を入れる形。数は少ないものの、チャンスも生まれ始めます。前半20分にはインテンシティあるカウンター攻撃を見せると、前半23分にこの試合唯一最大の決定機が訪れます!

↓しかし、走り込んだ大久保はコレを決めきれず!


基本ルートではFWが「急にボールが来たので」って言い出し、QBKっていう流行語が生まれるんだぞ!

今回は「最後の最後でバウンドが浮いた」らしいからSBUだな!

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その直後にも、香川のインテンシティあふれるボール奪取、中央で放った本田△のシュート、長友のクロスからこぼれ球に詰めた内田のシュート、いくつかチャンスが訪れます。しかし、ダイレクトで連動していく日本の一番面白い攻撃は出せず、「ほぼほぼ決められそうなチャンス」というものも作り出せません。普通に仕掛けて、普通に跳ね返される時間。

試合終了間際には内田のサイドから立てつづけに何本もクロスを送りますが、日本の選手がニアに飛び込むような動きが出ず、効果薄。ニアに詰めてこそ、間も広がり、スペースに飛び込む効果も出るはずなのですが、一番イイ場所に行く選手が出てこない。

終盤、日本は再び吉田を上げてのパワープレーに打って出ます。交代枠は1つ余らせた状態で。ベンチには電撃的ワンツーで本田・香川と連動できそうな柿谷を残し、ひとりで局面を打開するために呼んだと思われる斎藤も残っていました。しかし、最後に選んだのは吉田のパワープレー。相手もひとり少ないわけで、いっそパワープレーするならするで、ヤケクソで権田でも投入して的を増やすなど、何か打つ手がほしかったところ。

↓結局、試合はそのまま0-0で終了!ギリシャはしてやったりのスコアレスドロー!


2戦つづけて「おっ上手いこといったな」の前半から、「思い通りにならない」後半という流れ!

これはストレス溜まるな!ヒュー!

試合後、会場から大きなブーイングが聞こえました。同じ勝点1でも、ギリシャ側のお祭り騒ぎと、日本側の落胆は対照的でした。もちろん僕も結果に対しては不満が残ります。しかし、結果を判断するのはコロンビア戦が終わってからでもいいでしょう。コロンビアに勝って、上手いこと2位に飛び込めたら結果オーライなのですし。

よしんば勝ち抜けなかったとしても、コロンビアにさえ勝てば「コートジボワール戦の2分間が本当にバカだった」「1点取られたら、誰か倒れ込んで落ち着くまで時間稼げばいいのに」「勿体ないチャンスを逃した」と、気持ちを整理することができるはず。

ジャパンスタイルを貫く。

そしてジャパンスタイルで勝つ。

今大会のテーマは、「日本ってこういうチームでいいんだよね?」という確信を持つことです。「ドン引きカウンター」が日本人の精神性や技術とマッチしているなら別にそれでもいいのですが、それは合っていないと思うのです。攻撃も守備も全員参加で労を惜しまない社畜精神。ボールを渡して耐えるのは体格的に辛いので、ボールを持って相手の攻め手をできるだけ奪う攻撃的守備。「負けない」サッカーではなく「勝つ」サッカー。そういうスタイルが向いていると思うのです。今、代表が追いかけているスタイルが。

「よしコレだ」となってほしい。迷いを断ち切るための勝利がほしい。パラグアイに勝てなかった4年前の宿題の答えとして、「コロンビアからの勝利」は及第点に足るものでしょう。日本が4年間積み上げてきたものをぶつけて、勝利をつかんでほしい。ぶつけないままで終われば、もう一周同じループをすることになるので、できればそれは避けたいものですね。

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スペインさんは負けたからって迷わないだろう!そういう国になりたい!