【W杯日本戦 戦術解析】日本最大の決定機は後半23分、ザックが4年間で植え付けた形

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 日本代表はワールドカップの第2戦をギリシャと戦い0-0の引き分けで終わった。前半38分にギリシャのカツラニスが2枚目の警告で退場するも、最後まで得点を奪うことができなかった。

 ギリシャが10人になる以前から、攻める日本・守るギリシャの構図がはっきりしていたゲームだった。

 試合展開を考えると、遠藤を先発させなかったのは疑問だが、遠藤が入った後半もなかなか決定機は作れていない。前半に関しては決定機ゼロ、後半23分にようやく最初で最大のチャンスを作った。

 中央でボールを持った香川から、右サイドの外からDFの裏へ走り込んだ内田へ浮き球のパスが通る。フリーで抜けだした内田は、ダイレクトでDFとGKの間へ蹴り、逆サイドから詰めた大久保が左足で合わせたがシュートは枠の外へ。

 香川から逆サイドの裏へのパスは、日本の得意とする攻撃パターンだ。ザッケローニ監督が植え付けた形に違いない。これまで何回も使っている形である。

 この斜めの逆サイドへのパスは、DFにとってボールと背後へ走り込む選手(この場面では内田)を同一視野に収めるのが不可能で、ボールをカットできなければ背後にフリーで入られてしまう。内田を見てしまうとボールを見ることができず、それも次の対応が難しい。このケースでも、内田はDFの背後にフリーで走り込んでボールの落下点に入っていることに成功していた。

 中央に詰めたのは岡崎と大久保。中央のギリシャDFは1人だけで、背後にいた大久保はノーマークだった。大久保がシュート したのはゴールエリア内、ゴールまでの距離は5メートルぐらいだったが、角度が狭かったのと、内田からのボールがバウンドしていたので合わせるのが難しかったのだろう。ボールの下を叩いてしまい、打ち上げてしまった。

 ただ、流れの中で崩しきっての決定機はこれぐらいで、日本が得意とするコンビネーションを使った崩しはあまり見られなかった。

 内田、長友がサイドからハイクロスを入れても、長身のギリシャDFに跳ね返された。高いクロスを点に結びつけられる可能性は低く、この決定機のように背後をえぐってから低いボールで勝負する回数をもっと増やしたかった。1点勝負のゲームだっただけに、少なかったかもしれないが決定的なチャンスを逃したのは悔やまれる。